物流基礎知識 輸送・配送

フォワーダーとは?貿易における主な役割と依頼時のポイント

2020年7月7日

世界経済のグローバル化に伴い、情報はもとより物流もめまぐるしく世界を駆け巡る時代となってきました。このことによって、必然的に私たちの身の回りの生活必需品も外国製品に頼る比率が高くなり、いまや、こうした国際的な物流がなければ、私たちの生活も成り立たなくなってきました。

このように国際物流が成立しないと国内の需要を満たせない日本社会において、物流を支える「フォワーダー」について今回はご紹介します。

フォワーダーとは?

モノの移動に関するプロフェッショナル

フォワーダーとは、荷主から荷物(貨物)を預かり、適切な輸送機関を利用して、貨物の運送の取り次ぎをコーディネイトする業者の総称です。

フォワーダーはあくまで運送貨物のコーディネーターであり、自社で輸送手段は持っておらず、海上・航空・陸上輸送を利用して荷主にとっていかに最適な輸送手段を構築するかを目的としています。

その手法は実運送人(Actual Carrier)からオーダーに見合ったスペースを買取り、荷主に提供するものです。

フォワーダーを活用するメリットとしては、

1)輸送上のあらゆるリスクの軽減
2)複数の船会社の見積を取り、比較検討が可能
3)陸・空・船の3つの輸送手段を組み合わせた提案が可能
4)万全なスペースの確保
5)特殊貨物など、専門的な知識が必要な輸送を的確にサポート
6)長期的な取引で、価格的メリットを得やすい

つまり、荷主がフォワーダーを活用するメリット=業務内容そのものであり、荷主が希望する輸送に最適な方法を提案し、確実に荷物が届くように手配することが、彼らの最大の役割です。

国際物流におけるフォワーダーの役割

多岐にわたる業務内容

輸出入の物流がなければ経済が成り立たない日本で、フォワーダーの業務は時代に合わせて変化してきました。

主業務の運送のコーディネイト以外に、通関業務や輸送関係書類の作成、保税地域内での貨物の保管・梱包・配送業務など、また主業務に関連する「国際複合一貫輸送」「海上保険の手配」「梱包・検査」「ブッキング」「物流コンサルティング」「輸出入通関」「コンソリデーション」「検品や仕分け」「集荷」などのサービスも提供も行っています。

フォワーダーの種類と特徴

フォワーダーには大まかに下記の様な種類があります。

1)非船舶運航業者(NVOCC)
自らは船舶を運航しない貨物運送人。実運送人に対しては荷送人として貨物の運送を依頼。

2)ブローカー
海運仲立業、専門社に従属しない仲介業。運送契約の取り次ぎはするが、契約の当事者にはならないため、荷主に対して運送人としての責任は負わない。

3)特定サービスを提供する運送業者

<混載業者>
個々の荷主から小口貨物を請け負い、仕向け地ごとにまとめることで大口貨物として実運業者に引き渡す。海運では小口貨物(LCL)をコンテナ1個(FCL)に詰め合わせる。

<国際複合一貫運送業者>
船舶、航空機に鉄道やトラックなどの陸上輸送手段を組み合わせ、一貫した運送契約を実施する。

<インテグレーター>
自ら航空機を保有し運航することで、航空輸送業務とトラック運送などの陸上運送業務を統合し、荷送人から荷受人までドアツードアの国際複合輸送を引き受ける。

依頼時のポイント

インボイスを準備しておこう

貿易に関わる書類として重要なのがインボイス(INVOICE)です。これがなくては海外とのやり取りができないため、フォワーダーへの依頼時にも必要となる重要な書類です。

インボイスは「請求書」「通関書類」「輸送のための書類」という3つの目的別に使用されます。

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運送責任と保険について理解しておこう

国際輸送をする場合、船会社や航空会社には輸送中のあらゆる事故に対して、損害責任があると思われがちです。

しかし、彼らには貨物を安全に目的地まで届ける義務はありますが、損害については賠償する責任は発生しません。

なので、輸送するにあたり、まず保険をフォワーダーに依頼しましょう。輸出者と輸入者のどちらが保険を手配するかは、貿易条件によって決まります。

まとめ

このように、フォワーダーと言っても、得意業務によって依頼先が変わる場合も多々ありますので、自社の依頼内容にあった業者を選ぶ必要があります。

そのためにも、自社の依頼内容と予算を明確にし、業者を選ぶようにしましょう。

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