物流サービス 輸送・配送

クーリエとEMSの違い、選び方のポイントとは?

2020年11月27日

最適な輸送手段を選ぶには?

国際貿易や日本と海外間で貨物や書類などをやり取りする際に、輸送手段は大きなポイントとなります。

なかでも国外へ貨物を輸送する際に宅配便のように使える方法として「クーリエ」と「EMS」がありますが、両者の違いをご存じでしょうか。

本記事では、最適な輸送手段を選択するために、「クーリエとEMSの違い」と「選び方のポイント」について解説します。

 

まずは輸送手段を知ることから始めよう

国を跨いで貨物を輸送する際には、航空・海上輸送、クーリエ、EMS、地続きの場合はトラックといった輸送手段が考えられます。

航空輸送では精密機器や生鮮商品などの日持ちがしないもの、海上輸送ではトン単位の重量の大きい貨物や容積が大きな貨物などで利用されるケースが多いようですが、

それに当てはまらないもの、たとえば書類やスピード感が要求される機械部品などを輸送する場合はクーリエやEMSが利用されることもあります。

 

クーリエ(国際宅配便)、EMS(国際郵便)について

航空・海上輸送、トラック以外に用いられる輸送手段には、国際宅配便である「クーリエ」と国際郵便の「EMS(Express Mail Service)」があります。

クーリエ・EMSは両方ともドア・ツー・ドアを目的とした国際輸送サービスで、発送地点から配達先まですべての料金がオールインで設定されているのがポイントです。

空輸、通関、空港から配達先までの輸送といった金額も含まれているという点が航空貨物と大きく異なります。

航空貨物は空港までの貨物輸送、空輸、通関、配送といった料金がそれぞれ別々に加算されたのち、最終的なトータル料金が決まります。

また、過去にクーリエで配送したことがないものについては、航空貨物として送る方が安心という声もあるようです。

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ドア・ツー・ドアを目的とした国際輸送サービス

ドア・ツー・ドアを目的とした国際輸送サービスであるクーリエとEMSですが、両者の違いを簡単に説明すると、クーリエは民間業者が手がけるサービスである一方、EMSは万国郵便連合 <Universal Postal Union(UPU)>に加盟している公的配送会社が行っている国際サービスで、日本では日本郵政が取り扱っているという点です。

そのため、EMSを利用する際は郵便局の窓口から貨物を配送することができます。

国内で荷物を送る際も、クロネコヤマトや佐川急便といった民間業者に委託する場合と、郵便局に委託する場合とがありますが、それと似ています。

クーリエ・EMSはいずれも通関を含んでいますが、大きな違いは、クーリエだと業者内に通関士がいるため利用者が通関を行う必要がない点です。

一方、EMSでは簡易通関といって日本、海外の郵便局内(EMSセンター、国際郵便交換局)に税関吏が常駐しており、そこで検査をして輸出入許可の手続きを行います。

なぜならEMSは手続きを簡略化し、迅速にやり取りができるよう国際間で取り決めがされているためです。

ただし、20万円以上の高額な商品を輸送する際には、利用者本人(荷主)が輸入申告手続きをする必要があるので注意が必要です。

代表的な国際クーリエ業者には、FedEx(アメリカ)、UPS(アメリカ)、DHL(ドイツ)、TNT Express(オランダ)などがあります。

また日本の業者では、日本クーリエサービス(日本通運)、クロネコヤマト(国際宅急便)、OCS、佐川急便(飛脚国際宅配便)、西濃運輸などが知られています。

ただし、EMSと比較した際は料金が割高になる傾向があるので、コスト面を重視するのであればEMSを選択する方が良いかもしれません。

注意点としては、記事後半でも記載している通り「他法令」に関わる製品など、国際宅急便では送れない貨物や特別な許可が必要なケースもあるので事前に確認しておきましょう。

クーリエを利用して輸送を行う際の流れは以下の通りです。

1、貨物を準備する。
上記の通りクーリエで輸送ができない貨物もあるため、事前にしっかりとチェックをしておくことが大切です。送る前にしっかり確認を取る行為を行うことで、送り先で貨物の引き取りができないなどのトラブルを未然に防ぐことができます。

2、運送状(Air Way Bill)を用意する。
運送状はいわゆる「伝票」のようなもの。利用する業者によって使用するフォーマットが異なります。書類以外のものを輸送する際には「インボイス」と呼ばれる貨物の明細書を用意しておきましょう。

3、集荷依頼をする。
日時を指定した上で集荷依頼をします。

4、通関手続きを経て配送へ。
集荷依頼を終えた段階で、クーリエ業者が通関手続きを代行してくれます。この点もオールインのメリットと言えるでしょう。

 

EMSの特徴と輸送の流れ

公的配送業社が手掛けるEMSの大きな特徴は、クーリエよりも割安である点です。

また、保険をかけたい場合にはEMSを選ぶと良いでしょう。

EMSでは「損害賠償制度」という保証制度があるため、商品の価格が2万円を超えている場合は最高で200万円まで補償されます。

リンク:
『損害賠償制度』

デメリットとしては、配送スピードがクーリエよりも遅くなりがちで、重量制限(取り扱い国によって異なる)などもあるので注意が必要です。

急ぎでないものを安価に送りたい人に向いているため、個人間のやり取りではEMSを使う方が多いようです。

EMSを利用して輸送を行う際の流れは以下の通りです。

1、貨物を準備する。
EMSで輸送できるものかどうかを確認します。EMSは送り先の国ごとに重量制限があるので注意が必要です。

2、運送状(EMSラベル)を用意する。
運送状に必要事項を記入します。郵便局の窓口で直接もらうか、ホームページからダウンロードしましょう。

書類以外のものを送りたい場合にはインボイス(貨物の明細書)3通も別に必要です。

リンク:
『国際郵便マイページサービス』

3、集荷依頼をする、または郵便局へ持ち込む。
発送準備ができたら集荷依頼をするか、郵便局へ持ち込んでください。

4、簡易通関を経て配送へ。
国際郵便交換局で税関検査が行われます。20万円以上の高額商品の場合は、別途通関手続きが必要になる可能性もあるので注意してください。

 

国際貿易で注意すべきこと

国際貿易をする際は、さまざまな輸送手段があるため実際にやり取りをする際はどの手段で輸送すべきか迷ってしまうこともあるでしょう。

本項では、そういった時のために注意すべきポイントを説明します。

 

他法令について知っておく

国際輸送をする際は輸出入関係他法令について知っておく必要があります。

他法令とは簡単にいうと、「輸出入が禁じられている品目や、許可なく輸出入をしてはいけないものについて取り決めた法律」です。

例えば、『外国為替及び外国貿易法輸出貿易管理令』では武器や化学兵器、麻薬、ワシントン条約該当物品、特定有害廃棄物といった貨物の取引きを禁じています。

その他にも、大麻取締法や植物防疫法、特に個人輸入では薬事法、食品衛生法に係る貨物を輸入するケースが多いので事前にしっかり確認をしておきましょう。

また他法令に該当する貨物を輸送する場合は、税関ではなく管轄の公的機関で輸出入の許可を得る必要があるので、許可を取得するまでの時間や取得方法なども事前に頭に入れた上でリードタイムを設定することをおすすめします。

 

まとめ

貨物の種類や物量がポイントになる

国際輸送においてクーリエとEMSのどちらを利用するかを決める最大のポイントは、貨物の種類と物量で判断することが望ましいです。

例えば、急ぎの書類や30kg以上の貨物であればクーリエで、あまり急ぎのものではない場合や価格を抑えたいときにはEMSを利用するのがおすすめです。

納期や理想とするリードタイムによって、輸送手段がおのずと決まる場合もありますが、そうでない場合にはご自身の希望にあわせて輸送手段を比較検討してみるのも良いでしょう。

 

インコタームズ(貿易条件)をもとに輸送手段を判断する

最後にクーリエ、EMSの他に航空貨物も比較対象として出されるケースをご紹介します。

国際貿易をする際には、インコタームズと呼ばれる国際ルール(貿易条件)に沿って取引き条件を事前に設定する場合があります。

これは文化や風土がまったく異なる国同士での取引きをスムーズに進めるために制定されたもの(最新版はインコタームズ2020)で、

輸出入者の責任範囲やリスクの移転時期、費用負担の範囲などを定めた国際間における取引き上のルールです。

例えば、「送る側(輸出者)の責任は仕向け地の空港まで、そこから先は受け取る側(輸入者)が負担をする」といった取引き条件の場合、

ドア・ツー・ドアではなくエアー(航空貨物輸送)で送るのが一般的です。

また、記事冒頭でも述べたように、過去にクーリエで輸送したことがない貨物の場合は航空貨物で輸送する方が安心とされています。

これらを踏まえた上で、クーリエ、EMS、そして条件によっては航空貨物も選択肢に入れて、輸送手段を検討するのが良いでしょう。

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