物流基礎知識 輸送・配送

国内の物流を支える様々な輸送手段について

2022年2月16日

 日々の私たちの生活や経済活動を支えている物流ですが、そのため人口減少や高齢化、最近では新型コロナウイルスや地震などの自然災害といった様々な環境の変化においても物流機能を発揮・維持し続ける必要があります。

いわばライフラインの一部といっても過言ではありません。

物流は、大きく分けて輸出・輸入といった日本以外の海外とやり取りを行うための国際物流と日本国内の物的流通のための国内物流があります。

国内の物流と聞くと最初に頭に浮かぶイメージは「トラックで荷物を運ぶ」ことが一般的だと考えられますが、そのほかにも様々な手段で物品が運ばれています。

そこで、今回の物流手帖では国内の物流を支える様々な『輸送手段』についてご説明していきます。

※本記事は2021年12月時点の情報をもとに作成しています。

 

国内の物流事情

 日本国内の物流事情は、2020年から始まった新型コロナウイルス感染症の流行によって大きく変化したといえますが、それ以前のここ数年でもニュースやメディアなどで物流に関する様々な話題が取り上げられたことは記憶に新しい出来事です。

例えば2017年頃では、EC市場の本格的な台頭による急激な宅配便の取扱量増加や運賃の値上げ、過酷な労働環境によるドライバー不足やそれに関連する問題などが話題となった「宅配クライシス」と呼ばれる現象が頻繁にクローズアップされていました。

また、それらを改善するための働き方改革実現に向けた「ホワイト物流」なども同時期に始まった施策のうちの一つです。

その他にも頻繁に発生する地震や台風などの自然災害による輸送ラインの機能停止といった物理的な問題にも注目がなされ、BCP対策といった平常時および緊急時における事業継続のための事前対策の導入も推進されています。

このように新型コロナウイルス感染症の流行以前から日本国内の物流事情は様々な課題に直面してきましたが、加えて最近では巣ごもり需要などによる更なるEC市場の拡大やマスクの着用などの新たな生活様式を考慮した物流サービスが求められる時代となってきました。

物流業界を問わず、時代の流れやニーズ、社会の状況によって体制や仕組みを順応させるための働きかけは必要な事柄ではありますが、上述のように物流業界は常にこういった問題とダイレクトに接しているといえます。

(参考・引用)

総合物流施策大網(国土交通省)

 

様々な輸送手段

 

輸送·配送·運送の違い

 国内の輸送手段をご紹介するにあたって、まずは輸送・配送・運送の3つの言葉の意味の違いについて一般的な解釈をもとにご説明していきます。

輸送とは、国内外を問わず長距離の物品の移動を行う際に使用されます。

一次輸送ともいわれ海上・航空・陸上・鉄道など比較的大規模な物量を一気に移動させる時に使われています。

例として、海外からの部品調達や倉庫・物流センターなどの拠点間の仕掛品・半製品の移動などがあげられます。

次に配送とは国内での小口配送のことを指すケースがほとんどで、商業施設やコンビニ、小売店などに商品を届けたり、直接消費者のもとに配送する宅配便もこれに該当するものとされています。

近年ではトラックだけはなく、ボックスタイプの軽自動車や自転車に荷台を連結させて配送を行う場合もあります。

そして運送は輸送・配送を総称した意味ですが、言葉の意味として物品以外にも旅客の移動を行う場合にも使用されることがあります。

そのため輸送と配送に比べて広義であるといえます。

 

輸送手段は陸上・海上・航空に分けられる

 

 日本国内で行われている輸送・配送は基本的に3つの手段を中心に成り立っています。

 

トラックや鉄道貨物を利用した陸上輸送

 2018年度の統計では、国内貨物輸送の分担率をトン(重量)ベースで見たときで約9割、トンキロ(トン数に輸送距離を乗じた単位)ベースで見たときには約5割がトラックで貨物輸送がされており、データから見ても国内輸送の主軸を担っているといえます。

そのためトラックターミナルと呼ばれる中継地点の役割を担ったハブ(拠点)が各地に設置されており、小口貨物の多様化に対し円滑な輸送を行うため多くの運送事業者に利用されています。

トラックは前項でも記したように、一次輸送から小口の配送まで様々なシーンの輸送時に利用されており、それぞれに適した形態(平ボディやバンタイプなど)があるのもトラックの特徴のひとつです。

特殊な貨物(液体など)を運ぶ場合や港湾ではコンテナを輸送する場合(ドレー/ドレージ)などにも専用のトラックが利用されています。

次に鉄道貨物の特性として上げられる点としては、長距離かつ大量輸送が基本で、環境への負荷も少ない輸送手段であるとされています。

2019年度の実績では、輸送時における二酸化炭素の排出量がトラックの約13分の1であったと記されており、温暖化対策のためのモーダルシフトに有効な輸送手段として推進されています。

(参考・引用)

日本のトラック 輸送産業 現状と課題(全日本トラック協会)

 

フェリーやRORO船を利用した海上輸送

 トラックに次いで国内貨物輸送の分担率が高く、産業基礎物資(金属や石油・セメントなど)の輸送においては約8割を担っているとされています。

内航海運とも呼ばれています。

RORO船(ローローせん)とは貨物を積んだトラックやトレーラーを直接輸送する船のことで、フェリーとの違いは旅客を乗せず貨物輸送が主体であるといった点です。

荷役効率が良く、大量の貨物を長距離輸送することができます。

こちらも鉄道貨物と同じくモーダルシフトに有効な輸送手段として推進されています。

近年ではトラックドライバー不足の問題や災害に強い輸送ネットワーク構築を図るため、国内港湾に設置されたコンテナターミナルと呼ばれる施設の整備や強化が進められています。

(参考・引用)

内航海運による産業基礎物資輸送を取り巻く現状(国土交通省)

 

旅客機や貨物機を利用した航空輸送

 航空貨物輸送とは飛行機を使って貨物を輸送することですが、普段よく目にする旅客機と呼ばれるタイプの飛行機の下部には貨物スペースが備わっていて、そこに搭乗客の荷物以外の貨物を積み込んで輸送する場合があります。

また海上輸送のケースと同じように、貨物機といった貨物輸送のための専用飛行機も存在します。

航空貨物輸送では主に生鮮食品や季節商品、精密機械などを輸送しています。船に比べて積載量は下がりますが、中長距離の貨物輸送においてスピーディーな輸送を実現することができます。

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まとめ

 今回は国内の物流における輸送手段を比較的大きく分けてご説明しましたが、本記事でご紹介した以外の方法で輸送が行われるケースもあります。

日本は島国のため海外へ物品を運ぶ場合は、現時点では必ず飛行機か船のどちらかを利用することが前提となりますが、国内輸送の場合は様々な手段で物品を運ぶことができるので、貨物の種類や物量、輸送スケジュールに合わせて最適な輸送手段を選択しましょう。

 

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