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貿易におけるフリータイムとデマレージについて解説します

貿易(輸入)の際に外国貨物が港や空港に到着してから実際に荷主が貨物を引き取るまで、指定の保管場所にコンテナや貨物を移動させたり、輸入手続きなどを行う必要があるので、どうしても一時的にコンテナや貨物を保管する必要があります。

そして日々、港や空港ではたくさんの外国貨物が運び込まれて来るため、引き取りまでに時間がかかってしまうと保管場所に貨物が溢れ返ってしまいます。

さらにコンテナ輸送の場合は一箇所にコンテナが集まってしまうと、他の貿易を行うためのコンテナが不足してしまうなどの問題につながる可能性もあります。

そのため各港や空港では、輸入貨物を速やかに引き取らせるための保管期間を設けており、期間を過ぎると超過料金や延滞料金が発生する仕組みになっています。

そこで今回の物流手帖では、輸入貨物の保管に関する「フリータイム」と「デマレージ」と呼ばれる仕組みについて、分かりやすくご説明していきます。

※本記事は2022年10月時点の情報をもとに作成しています。

フリータイムとは?

まずはじめに、フリータイムとは主にコンテナを海上貨物で輸入した際に使用されている用語で、文字通り無料期間という意味になります。

どの期間のことを指しているかというと、ひとつは港に到着したコンテナ貨物をCY(コンテナヤード)やCFS(コンテナフレイトステーション)で一時的に保管する際に付与される無料保管期間です。

そしてもうひとつは、港から持ち出したコンテナを、持ち主である船会社が指定する場所に返却するまでの無料貸出期間のことを指しています。

航空貨物の場合も保税上屋での無料保管期間はありますが、海上貨物と違って期間が短く、例えば成田空港の場合では到着日の翌日から24時間とされています。

冒頭でも記載したようにフリータイムを過ぎると超過料金や延滞料金といったペナルティが発生してしまうので、輸入者はフリータイムの期間内にCYやCFSからコンテナ貨物を引き取り、速やかにコンテナを返却することを目指して、搬入や搬出、輸入関連の手続き、デバンニングなどを行うことになります。

 

無料期間はケースバイケース

注意すべき点としてフリータイムの期間は、仕向地や船会社、コンテナの種類などによって変動します。ここではポイントとなる点をいくつかご紹介します。

 

①管轄

②起算日

③日数のカウント方法

④コンテナの種類

 

まずはじめに、コンテナ到着から返却までの期間管理や保管料などの管轄がどこにあるのかを事前に確認するようにしましょう。

一般的にはコンテナを貸出している船会社の場合がほとんですが、国によってはコンテナを保管しているターミナルや港湾局が管理している場合もあります。

次にポイントとなるのは起算日です。無料保管期間と無料貸出期間の両方を確認する必要があります。

基本的に前者は入港日、後者は搬出日または搬出日翌日からカウントが始まります。

そして起算日と関連して日数のカウント方法が非常に重要になってきます。

なぜかというと、フリータイムの日数のカウントに土日や祝日が含まれるケースと含まれないケースがあるからです。

輸入手続きは貨物が港に到着してから手続きを行いますが、税関各庁は土日祝日の対応はしていないため、含むのか含まないのかで搬出までにかかる日数との兼ね合いに大きく影響します。

そして最後のポイントはコンテナの種類によってもフリータイムの日数が変動するという点です。

基本的にはドライコンテナが一番長く、フラットラックやオープントップ、リーファーコンテナなどは短く設定されています。

食品や化粧品、医薬品などの温度管理が必要な貨物は、通常のドライコンテナで輸送せずにリーファーコンテナを使用するケースが多いですが、以前、中国の主要船会社から日本向けリーファーコンテナのフリータイム期間短縮が適用されたケースもあるので、こちらも事前に確認しておくことが大切です。

なお、これらの貨物は他法令に関連するものがほとんどなので、輸入許可・承認を得るまで通常の貨物より時間がかかります。

あらかじめできる手続き関連の準備はしっかりと行うように心がけましょう。

 

デマレージについて

これまでご説明したようにフリータイムを過ぎるとペナルティが発生しますが、CYやCFSなどでの無料保管期間を超過した場合にはデマレージ(Demurrage)と呼ばれる超過保管料金が課せられます。

ちなみに、デマレージは保税地域であるCYやCFSでの保管時に発生する費用なので非課税となっています。

デマレージは日数が長くなるほど1日あたりの料金も高くなっていくため、安易に捉えていると思わぬ出費が発生してしまう可能性があるので注意が必要です。

アライバルノーティス(到着通知)が発行されて書類が無事に届いたら、港にコンテナが到着する前にスムーズに荷受けするための準備を進めておくと良いでしょう。

 

ディテンションチャージとの違い

ディテンションチャージ(Detention Charge)とは、船会社から借りているコンテナをフリータイムの期間内に返却できなかった場合に発生する延滞料金のことです。

デマレージと違って国内で発生する費用となるため、ディテンションチャージは課税対象となっています。

コンテナを返却するには、中身を荷下ろし(デバンニング)してから清掃などを行ってコンテナを返却できる状態にし、船会社が指定する場所(バンプール)まで空のコンテナを輸送する必要があります。

そのため、入港日に合わせてコンテナを輸送するドライバーや、デバンニングを行う作業員などの人員調整も事前に準備すべき点となってくるでしょう。

 

まとめ

今回は「フリータイム」「デマレージ」「ディテンションチャージ」についてご説明しましたが、これらはあくまでもコンテナの回転率を上げて、効率よく貿易を行うための仕組みとなっているので、コンテナ到着後はできる限り速やかに手続きや作業を進行していく必要があるといえます。

またデマレージやディテンションチャージが発生してしまった場合の費用は、輸出側もしくは輸入側のどちらが最終的に負担をするのか、契約時にはっきりとさせておくことも大切です。

 

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