物流基礎知識 輸出・輸入

【貿易条件】CIFとFOBの特徴や違いについて

貿易条件(Trade Terms)とは、異なる国と国の個人や企業等の間で行う取引において、売買を行う当事者間の費用負担や危険負担の範囲などを明確に規定した条件・基準のことを指します。

国際間の取引では、習慣や風土・文化の違いなどから、輸出を行う側と輸入を行う側との間で認識の齟齬や解釈の違いなどのトラブルが生まれやすく、それらを避けるために長い年月の取引習慣から「貿易条件」が考案されました。

そこで今回の物流手帖では、貿易条件の概要となかでも実務上使用される頻度が比較的多い「CIF」と「FOB」と呼ばれる貿易条件について、わかりやすくご説明していきます。

※本記事は2022年12月時点の情報をもとに作成しています。

 

貿易条件とは?

貿易条件とは英語で「Trade Terms」といい、国際間の個人や企業等の間で行う取引において、売買を行う当事者間の費用負担や危険負担の範囲などを明確に規定した条件・基準のことです。

なかでも定型的条件とされており、現在一般的に使用されている貿易条件は「インコタームズ」と呼ばれ、英語では「Incoterms(International Commercial Terms)」といいます。

インコタームズ以外には、改正貿易米国定義やワルソー・オックスフォード規則といった条件基準がありますが、現在ではあまり使用されていません。

インコタームズは国際商業会議所によって制定された、貿易規則の国際的な解釈基準やルールを定めたもので、1936年に制定されてから幾度かの修正・追加・削除を経て、現在は2020年版が最新版となっています。

 

インコタームズの種類

インコタームズ2020版で制定されている規則は全部で11種類あり、それらは輸送手段に合わせて大きく以下の2つのグループに分けられています。

 

[ グループ1 ]

いかなる単一または複数の輸送手段にも適した規則

・EXW(Ex Works)

・FCA(Free Carrier)

・CPT(Carriage Paid To)

・CIP(Carriage and Insurance Paid To)

・DAP(Delivered at Place)

・DPU(Delivered at Place Unloaded)

・DDP(Delivered Duty Paid)

 

[ グループ2 ]

海上および内陸水路輸送のための規則

・FAS(Free Alongside Ship)

・FOB(Free On Board)

・CFR(Cost and Freight)

・CIF(Cost Insurance and Freight)

 

また上記のグループ分けのほかに、それぞれの規則で規定されている取引条件を以下の4類型に分類することもできます。

 

[ E類型:出荷条件 ]

売主側の施設(工場や倉庫など)で買主に物品の引き渡しが行われる取引条件。

 

[ F類型:主要輸送費買主負担条件 ]

売主は買主に指定された運送人(船会社や航空会社など)に物品を引き渡し、輸送にかかる主な費用は買主が負担する取引条件。

輸出通関の義務は売主側にある。

 

[ C類型:主要輸送費込条件 ]

輸送にかかる主な費用は売主側が負担するが、船積みまたは運送人への物品の引き渡し後に発生した貨物の損害については、買主が負担する取引条件。

輸入通関の義務は買主側にある。

 

[ D類型:到着条件 ]

貨物を目的地まで輸送するために必要な費用を全て売主側が負担する取引条件。

それぞれ11種類の規則は、上記の通りアルファベット表示の頭文字を取った3文字(略称)で表されており、なかでも今回、本記事でご紹介するのは実務上使用される頻度が比較的多い「CIF」と「FOB」で、CIFは「Cost Insurance and Freight」、FOBは「Free On Board」のことを指しています。

 

CIF(Cost Insurance and Freight)

CIF(Cost Insurance and Freight)は直訳すると「保険」と「運賃」という意味で、運賃・保険料込みの規則となり、分類上ではグループ2かつC類型に含まれます。

インコタームズで規定されている貿易条件は、売主と買主のそれぞれの義務や費用負担、危険負担の範囲といった点を軸に構成・区別されているので、すなわちCIFの場合は「指定仕向港までの貨物輸送にかかる主な費用と海上保険の費用を売主が負担する」といった規則(条件)になります。

 

FOB(Free On Board)

FOB(Free On Board) は「本船渡し」という意味合いの規則で、分類上ではグループ2かつF類型に含まれます。

本船渡しの条件とは、買主から指定された船積港に停泊中の本船に、売主が輸出通関を終えた貨物を積み込むことで、貨物の費用負担と危険負担が買主に移転するといった規則(条件)のことです。

FOBはもともと在来船向けの取引条件として制定された規則ですが、いまでもコンテナ船で輸送を行う場合に使用されるケースが多くあります。

 

CIFとFOBの違いについて

CIFとFOBの違いは売主(輸出者)と買主(輸入者)のどちらを主体とするのかで異なりますが、なかでも費用負担と保険負担に大きな違いがあります。

なお、危険負担については、どちらの規則も輸出地の港で本船に積み卸し、または引き渡された貨物を調達した際に売主(輸出者)から買主(輸入者)に移転します。

CIFの場合は、買主が指定する仕向港までの運賃と保険料を売主が負担するといった規則に対して、FOBの場合は、指定された船積港に停泊している本船に貨物を積み込むまでを売主が負担するといった規則になります。

なお、CIFは運賃込みなので、一般的に売主側が船会社を手配する必要がありますが、FOBの場合は買主側が手配する必要があるので注意が必要です。

また保険についても、CIFの場合は保険料込みのため売主側に保険証券が発行されますが、FOBは本船渡しとなるため売主側が海上保険をかける義務はありません。

そのため、船積港までの輸送や本船への積み卸しまでの保険を手配します。

そのほかには、関連書類に表示する記載方法の違いなどがあげられます。

 

【CIFの場合】

・CIF+地名(輸入港名)

・運賃表示はFreight Prepaid(運賃前払い)

 

【FOBの場合】

・FOB+地名(輸出港名)

・運賃表示はFreight Collect(運賃着払い)

 

まとめ

今回は貿易条件(インコタームズ)の概要と実務上使用頻度が比較的多い「CIF」と「FOB」についてご説明しました。

インコタームズは、最新版の2020を必ず使用しなくてはいけないといった決まりはなく、取引の都合上、以前の2010などを使用するケースもあるため、それぞれどのような条件(規則)があるのかあらかじめ知っておくことで、柔軟な取引の対応に繋げることができます。

ご参考として、物流手帖のインコタームズに関連する記事をぜひご活用ください。

参考インコタームズとは|新しくなった2020版の概要について

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