物流の現場

物流全体を見直すと物流費が下がった!物流改善事例

投稿日:2018年3月29日 更新日:

物流ってどこを見直せば改善できるだろう?

日々このような難問に向き合い現場での改善活動は徹底的に行っている。

もうこれ以上出来ないと調達・物流担当者の方々は感じていると思います。。

そンな時、視点を変えてもう少し高くし事業全体から見直すことで解決策が得られるかもしれません。

今回はそんな視点にからできた物流改善の1例のお話です。

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物流の可視化

大手小売業者Z社の調達改善時例

改善前

かねてからおつきあいのあったZ社

担当のAさんより

「どうしても物流コストが下がらない、なにか方策は無いか」

と相談を受けました。

そこで全体の物流がどうなっているか詳しく聞いてみると、

○海外ベンダーからCIF(海上運賃保険料込み)で輸入

ちょっと待った!その貿易条件で大丈夫? もう一度見直すインコタームズ

国際取引で重要な取引条件の取り決めでお互いの共通認識として利用されるインコタームズ。お互いの共通認識があれば取引条件をスムーズに決める為に重要な定義になります。このインコタームズをもう一度見直してみた ...

○複数の仕入先からコンテナ単位で購入、それぞれ同じ港から複数コンテナを日本へ輸出

○日本へは主要港で輸入し、そこから地方の物流センターへ陸送

○輸入品を受け取るメインの物流センターに貨物が集中、入りきらなくなり近くの倉庫も利用している。

○メインの物流センターや周辺の倉庫から各地の物流センターや各店舗へ配送。

全体の物流の流れをヒアリングするとこのような状況が見えてきました。

● この状況でのA氏の悩みは、
① 物流費が削減できない

② 国内過剰在庫が改善出来ない。

ということでした。

改善前の物流の流れ

問題はどこにあるのか?

A氏と何度も検討した結果、問題の所在は、、、

○発注単位がコンテナ単位になる

○貨物があふれ周辺に倉庫を借りる必要がでてくる

○適時適量の輸入が出来ず、物流センターや港に貨物が滞留し保管コストがかかる

○中国側の物流コストが見えない

○高コストの国内の陸送が複雑かつ多用されている

対策と結果

これらを解決するためには、全体の調達の仕方と、物流の有り方

物流・流通からロジスティクへと考えを改める必要があるという

結論に達し、

早急な対策案は

○CIF(海上運賃保険料込み)をFOB(本船渡し)やFCA(運送人渡し)に切り替え、物流費の可視化を図る

※インコタームズの費用負担と危険の移転時期の図解

○原産国の保税倉庫に種々のベンダーの商品貨物を集約する

○主要港だけでなく、地方港も使用し、本社物流センター,地方の物流センター向けに、
各商品の必要量(安全在庫を見越し、2週間分)を混載しコンテナで送る

効果は

商品原価と物流費(センター入れまで)が可視化できる

原産国の倉庫に貨物を集約するため、コンテナ単位での発注する必要はなく、安全在庫として2週の週次ロットでの発注で済みます。

そのため全体的に物量が減り、ムダがなくなります。

各地方の物流センターへ送る事ができるので、

大幅な国内流通コストが削減できる。

貨物が集中しなくなるのでメインの物流センターの周辺に

借りていた倉庫が不要になります。

そのため、過剰在庫が改善され、センターの回転率が大幅に改善されました。

同時に港での滞留がなくなり保管コストがなくなります。

改善後の物流の流れ

解決策の留意点

解決策においての注意点。

会社内でのの組織的な改善と、部署間のコミュニケーションが必要

大企業の組織は商品部、物流部、店舗などと縦割りの構造になっています。

今までの慣習では自分達の仕事領域しか関心を持たなかったが、

横の連携やお互いの仕事内容を理解し、全体を把握することが重要になってきます。

仕入先のメーカー・ベンダーの理解と協力が必要

社外の協力を取り付ける必要があるので、

実現にはハードルが高くなる場合があります。

各メーカー・ベンダーの事情や商習慣があるので難色を示す場合もあります。

ですがお互いにメリットが出るように粘り強く交渉する必要があります。

メーカー・ベンダー側の問題例と対策

物流コストでマージンを取っていたので、儲けが少なくなる。
⇒現地倉庫渡しの金額へ商品原価を見直してもらう

少ロット発注に生産ラインが合わない
⇒出来るだけ発注量を工場側の最低生産ロットに合わせる

税金還付の問題(中国では倉庫で滞留していては、増値税(消費税のようなもの)の還付が遅れる
⇒保税倉庫渡しを利用することで回避できる

 

まとめ

物流費の改善は「見えるコスト」の見直しだけでは大きな削減効果は期待できない。

今回の話は各サプライヤーへの最小発注単位がコンテナ単位になっていたことで、

物量が知らず知らず多くなり、それが物流の費用へと跳ね返っていました。

物流費を下げようとするとき、物流だけを見ていたのではこのような施策は出来なかったはずです。

問題は物流ではなく物流と調達構造だったのです。

地方への船運賃や現地での混載、仕分け作業など+αの要素の為、物流費は上がります。

ですが、調達・物流の仕組みを変える事により、トータルの物流費は下がりました。

全体を見てどのようにコスト削減するかを考え、物流の流れを変えたのが今回の事例でした。

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