世界の物流事情

輸出の梱包に記載するケースマークってなに?

2022年5月27日

海外へ輸出をする際には貨物に外装すなわち梱包を行いますが、国際輸送時に起こりうる様々なトラブルを避けるため、梱包を行った貨物の表面(外見で認識しやすい場所)にケースマークと呼ばれる印を表示します。

梱包の種類にもよりますが、梱包された状態から中身の貨物の詳細を判別することは困難なため、それらを分かりやすく識別するためにケースマークで貨物の情報を表示しています。

軽量の小口貨物で特別なライセンスが必要ないものの場合はマークを省略することもありますが、知識としてこれから輸出を始める企業や個人の方、今後始めて見たいと考えられている方は梱包とセットで覚えておくと便利です。

そこで今回の物流手帖では『梱包』と『ケースマーク』について分かりやすくご説明していきます。

※本記事は2022年4月時点の情報をもとに作成しています。

 

梱包について

 一般的に「梱包」とは、倉庫や物流センターなどで貨物を保管する際に物品そのものの状態と価値を維持するために施される外装(ダンボールや木箱など)のことを指しています。

また貨物の輸送時における物理的ないしは化学的な変化から貨物を保護する目的や、取扱い等の荷役が効率的に行なえるようする目的なども含まれています。

特に国際輸送の場合は国内輸送よりも輸送距離が長く、経由地などで荷役を行うこともあるため、梱包に不備があるとカーゴダメージ(貨物の損傷)が発生する可能性が高くなります。

ちなみに、梱包の不備に起因するカーゴダメージは保険の対象外になるので注意が必要です。

似た用語で「包装」がありますが、包装はJIS規格でいうところの個装(消費者包装)にあたり、商品の中身の品質維持やラッピングなどの付加価値的な意味合いが強く、それぞれの用語の定義はないものの梱包とは区別されて使用されています。

梱包の種類

 梱包の種類には主に以下のようなものがあります。

①強化ダンボール

輸出用に作られた強化ダンボール。層が厚く、耐久性に優れている。重量が軽く、開梱後もリサイクル可能な素材として、最近では②の木箱梱包に代わって使用されることがあります。

②木箱

ケース梱包とも呼ばれる木材で密閉された従来から最も多く使用されている梱包形態。国際基準に則って殺虫・殺菌のための燻蒸(くんじょう)処理が施されたものや、合板(ベニヤ板)などが使用されます。

③枠組み箱

クレート梱包やすかし梱包とも呼ばれる梱包形態で、細い木材を使って格子状に組み上げた木箱のことを指します。

④腰下盤

スキッド梱包と呼ばれ、土台となる部分に貨物を固定する梱包形態。腰下(底部)のみで全体を覆われていないため、重量または嵩(かさ)が比較的に大きい貨物の荷役や輸送をするために使用されています。

⑤パレタイズ

ダンボールなどで梱包された複数の貨物をパレットに積みつける梱包形態。パレットは木製だけでなく、プラスチックやダンボール(シートパレット)、スチール、アルミなど様々な種類のものがあります。パレタイズされた貨物をストレッチフィルム等で包んで固定したり、シュリンク梱包をする場合もあります。また最近では国際輸送用のリターナブル(再利用可能な)パレットと呼ばれる画期的なパレットも導入されつつあります。

⑥錆止め包装

バリア梱包とも呼ばれ、金属製品や機械類等を輸送または保管する際の錆(サビ)を防ぐために行う包装方法。防錆処理が必要な貨物をバリヤ材で包み、貨物内部に乾燥剤(シリカゲル等)を入れ、バキューム機などでできる限り真空状態にしてから熱封緘でしっかり密閉する方法です。

このように梱包の種類には上記以外にも様々な方法が用いられており、いずれの方法にもメリット・デメリットがあるので、いかに適切な梱包形態を選択するかがポイントになります。

 

ケースマークとは

冒頭でも説明したようにケースマークとは梱包された貨物の表面に刷り込む記号や番号のことで、シッピングマークや荷印とも呼ばれています。

国際輸送の場合、様々な業者や税関関係者などが関わってくるため、貨物の内容や取扱いの注意点、重量、仕向地や経由地などの情報を貨物の外見から判別できるようにケースマークを表示します。

またインボイスやパッキングリスト、船積指示書(S/I)などの船積書類に記載されている情報と一致しているかの確認のためでもあります。

 

マークの種類

ケースマークには、通常メインとなる部分(メインマーク)とサブとなる部分(サブマーク)があります。

メインの部分は、輸送や保管時に他の貨物と区別するためのマークです。

サブの部分は、仕向地や荷揚を行う港、原産地、品質、重量、容積等を示すほか、荷役や取り扱い上の注意を示す記号が表示されています。

国際輸送の場合は仕向地まで全て直行するわけではなく、一度どこかの国を経由して港や空港で貨物を積み替えることもあるため、マークが不鮮明であった場合、貨物の紛失や他貨物との混同、または通関上のトラブルなどが発生する恐れがあります。

そのため、ケースマークは、鮮明に防水インク等で、消えたり滲んだりしないように刷り込まなければなりません。

特に混載貨物(LCL)の時には注意が必要です。

なお、コンテナ満載貨物(FCL)でドア・ツー・ドアの場合にノーマークで船積みを要求された時は、相手国の輸入規制すなわち通関ルールに反しないことを条件に、バンマーク(コンテナのドアの内側にマークを貼る)等で簡略化することもあります。

 

義務化(タイ輸出入)について

タイ宛の貨物の場合、貨物およびインボイス、パッキングリスト、船荷証券などの通関書類にケースマークの表示が義務化されています。

実重量が35kg未満でケースマーク不要の条件に合う場合は省略されるケースもありますが、その際には通関書類にノーマークの記載が必要となります。

記載漏れや不備があった場合は罰金が科せられることもあるので、事前にしっかりと調査するように気をつけましょう。

 

その他の注意事項

ケースマークで表示する記載事項において注意すべき点として、原産地表示があります。

原産地表示は正確な情報を記載する必要があるため、誤った表示を記載しないよう厳重に行いましょう。

詳しくは税関のホームページで確認することができます。

『原産地表示に係るQ&A』

 

また決済方法が信用状(L/C)取引の場合、相手先と銀行との間でケースマークの記載について指定があることがあります。

その場合、梱包方法や貨物重量などが具体的に決まった段階で、事前に相手先にどのようなケースマークが必要なのか確認すると良いでしょう。

 

ケースマークの記載の仕方

ケースマークの記載例としては以下のようなものがあります。

・ケアマーク(取扱上の注意)

・メインマーク(相手先の社名の頭文字など)

・ポートマーク(仕向港、経由地)

・クオリティマーク(品質など)

・ケースナンバー(ナンバー、梱包方法など)

・原産地表示

・総重量、純重量、容積

 

<ケアマークの記載例>

・Don’t Fold(折り目注意)

・Don’t Crush(押し潰し注意)

・Do not Drop(落下注意)

・Inflammable Cargo(可燃性貨物)

・Valuables(貴重品)

 

まとめ

今回は「梱包」と「ケースマーク」についてご説明しました。

梱包は中身の製品の特性やコスト面などを考慮した上で最適な方法で行うことが大切です。

またケースマークは輸出入において重要な役割を担っているので、事前に相手先と相談をした上で正確に表示することを心がけましょう。

 

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