世界の物流事情 物流基礎知識 輸出・輸入

輸入手続きの流れや仕組みについて解説します

2022年4月15日

 皆さんもご存知の通り、現代社会ではグローバルサプライチェーンなくしては経済が成り立たないといっても過言ではないほど、国際間で様々な物品や技術などのやりとりが行われています。

最近では不安定な世界情勢の影響から、原油をはじめとしたエネルギー関連の資源価格が高騰しており、日本の貿易赤字が続いていますが、かといって貿易を行わずに全てを自国でまかなうことは困難であるため、こういった世界情勢の動向も無視できないものとなっています。

また異なる国とやりとりをする以上、輸出・輸入の際に守らなければならない法律や規定がそれぞれの国に存在しますので、これまでは問題なかった取引でも相手先の国の法律や規定が変わったことによって、取引内容や手続きなどが変わってしまうことも想定できます。

このように輸出・輸入の取引は、相手先すなわちその時の世界情勢によって常に変化するデメリットがある一方、その分メリットも多く、頼らざるを得ない世の中でもあるため、業種問わず知識として覚えておくと何かと役に立ちます。

そこで今回の物流手帖では『輸入手続きの流れや仕組み』について分かりやすくご説明していきます。

前回の記事では、輸出に関する手続きの流れについて解説していますので、合わせて読んでいただくとより輸出・輸入の全体のイメージが掴めてくるのでおすすめです。

前回の記事はコチラ

参考輸出とは?手続きの流れや業務フローについて

 輸出の定義について関税法<関税法第二条>では、内国貨物(日本にある貨物で外国貨物でないもの及び日本の船舶により公海で採捕された水産物)を外国に向けて送り出すこと、とされています。 実際には、海外との ...

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※本記事は2022年3月時点の情報をもとに作成しています。

 

海外から輸入を始める前に確認すべきこと

 これから輸入を始めるとなったとき、まず始めに行うべきことは「情報収集」です。

理由としては、冒頭でも述べたように輸入(輸出)は相手先が他国であるため、日本の規定や法律のみに従っていれば問題ないというわけではありません。

どこから・何を・どれだけ輸入するのか、またその目的は何なのかなど相手先の国の規定や法律などもあらかじめ調べた上で輸入(輸出)を始めるようにしましょう。

 

目的を明確にしよう!

 まずはどのような目的で海外から物品や技術を輸入するのかを明確にしましょう。ここで考えられる目的は大きく分けて3つあります。

一つは、個人で使用することを目的としたケースです。

少量の場合が多く、主にインターネットを通じて海外から「自分で使用する分の少量の商品」などを購入する場合があてはまります。

このようなケースは、個人輸入と称されており、旅行などで海外から飛行機で帰国する際に「携帯品・別送品申告書」を記入した経験がある方も多いと思いますが、そこにも記されているように対象商品の金額が1万円以下の場合は免税となります。

次に輸入と聞くと一番イメージしやすい、商業輸入と呼ばれるビジネス目的で大量に商品などを輸入する場合があてはまります。

この場合は関税だけでなく、輸入許可の承認手続きが必要になるので事前にしっかりと確認をしましょう。

知らずに輸入してしまい、海外から日本の保税地域に荷物は届いたけれど、輸入許可をとっていないがために引き取りができないなどといったケースも実際にあるので、ビジネス目的の場合は商談時など取引時点で必要な許可や申請などの確認を行うように心がけましょう。

最後は少額輸入といって対象商品の金額が1万円以上20万円以下の場合があてはまります。

主に小規模のビジネスや贈り物などで他人に贈与するケースが多く見られます。

商業輸入との違いは簡易税率が適用されたり、通関手続きも簡略化されているので商業輸入に比べて手続きが比較的スムーズな点です。

このようになぜ輸入をするのか、その目的によって関税(輸入品に課される税金)の税率や課税対象の金額、手続きが異なります。

関税についてのご説明は、別の記事にて行っておりますのでそちらをご確認ください。

参考個人輸入と商業輸入の違い、関税について分かりやすく説明

 近頃ではIT化の普及・発展に伴い、様々な海外製の商品を個人でも簡単にインターネットを通じて購入することができるようになっています。 また日本国内のお店でも様々な輸入品が陳列されていたり、輸入品の専門 ...

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図で解説!輸入業務の流れについて(フローチャート)

 厳密に言うと輸入業務の流れは取引内容によって異なりますが、全体的な流れは図のようなイメージで進められています。

輸入申告は荷物が保税地域に搬入されてから行われ、税関によって審査・検査が行われた後、関税の納付がある場合は支払い確認後に輸入許可がおります。

ビジネス目的で輸入を行う場合は、輸入前の市場調査やマーケティングに加えて、どのように販売・プロモーションを行うかなどの工程も含まれます。

 

再輸出をする際の注意点

 輸入を行う際に相手先の国の規制や法律に注意しなければならない一例として、米国の輸出規制であるEAR(Export Administration Regulations)があります。

ここに記されている規則は、米国の管轄外である他国の取引においても域外適用されます。

またEARは米国から仕入れたものを再輸出する場合(輸入後に日本で加工してから他国へ輸出する場合など)にも適用されます。

場合によっては米国側から再輸出の許可が必要となるケースもあるので注意しましょう。

 

輸入手続きの際に必要な書類関連

 実際は輸入手続きを当事者本人が行うケースは大口の商業輸入などのビジネス面においては稀で、一般的には通関業者に代行してもらうケースがほとんどですが、どのような輸入手続きが行われるのかある程度把握しておくことで依頼する際の通関業者とのやり取りがスムーズになります。

手続きの際に必要となる関連書類には以下のようなものがあります。

 

①Arrival Notice (A/N)

輸入者に向けて発行される通知書で貨物の到着案内に関する内容が記されています。

②Invoice

送り状のことで、貨物の品名や数量、金額、輸送方法、支払い手段などが記されています。

③Packing List

梱包明細書のことで、荷物の梱包方法や個数、重さ、容積などが記されています。

④Bill of Lading (B/L)

船で輸送される場合に発行される船荷証券のことで、場合によってはSea Waybillと呼ばれる海上運送状が利用されるケースもあります。飛行機で輸送する場合はAir Waybillが発行されます。

そのほかにも、保険証券、原産地証明書、他法令の許可・承認証、減免税証明書など状況に応じて必要な書類が変わってくるので、やはり事前に入念な確認作業を行うことをおすすめします。

 

まとめ

 今回は、輸入を始める前に確認すべきことや手続きの流れ、業務フロー、必要書類についてご説明しました。

個人で輸入する場合も何かのビジネスで輸入する場合も、どちらも事前に必要な許可や手続きなどをしっかり調べることが自身のリスク管理につながるでしょう。

また、減免などの制度を受けることができる場合もあるため、横着しないように心がけましょう。

冒頭でも述べたように、特にビジネス面においては相手先や世界情勢などの動向にも注視することが大切です。

 

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