よみもの 世界の物流事情

いまさら聞けない”物流のあるべき姿”とはどんなもの?

2017年11月20日

目指すべき物流の姿

物流を良くしたいと考えても、あるべき姿がどの様なものなのか、具体的にわかっていなければ、より良い物流を目指すことができません。
そこでより良い物流とはどんなものであるか、具体化してみたいと思います。
物流のあるべき姿を考えると以下の3つの点を考える必要があるのではないでしょうか。
まず一つ目は、やはりコストでしょう。企業の最大の目標が利益をあげることであると考えるとコスト管理は最大の関心事と言えます。
ですので、いかに低コストで最適な物流を行うかです。

2つ目は、社会的な責任を果たしたうえでの物流と言えます。
環境や安全面を疎かにして会社の存続はありえません。
いかに環境負荷を低くし、なおかつ事故を起こさないで日々の物流を行っていくかは誰もが考えなければならないことです。

3つ目は、災害や不慮の出来事が起こっても、会社が存続できるように必要最低限の物流ができるような環境を整えておくことです。
自然災害はいつ起こるかわかりませんが、対応できるよう普段から備えておく必要があります。

以上をまとめると、
①ローコストな物流
②環境に配慮した物流
③災害時でも稼働できる物流
を高いレベルで業務を遂行することが、物流のあるべき姿になるはずです。

ローコストな物流

これまでの物流でもっとも注目されてきた項目ではないでしょうか。
どこの企業でも取組んでいる課題であると言えます。
もちろん部署や会社によりコストより早さやイメージ戦略から環境に配慮するためコスト最重視でない場合もありますが、企業に利益や競争力を作り出すためには、おざなりにできない活動です。
いわば一番のベースになってくる活動と言えます。

部分最適

それではローコストを実現する為に何が必要か。
ムダなことをしないということと、効率よくすることです。
この無駄を省き効率よくするためには、普段の活動を細かく記録・観察しそれぞれの活動範囲で効率化を図らなければいけません。
部分最適と言える活動です。
例えば、物流の1つの作業としてピッキング作業でムダを見つけたり、作業効率化を図るとします。
注文書を受け取り商品のあるところへ行き荷物を取ってくることが作業内容です。ですので、これ以外の動作や作業はムダと言えます。
物を探したりするとそれは、ムダな時間になります。移動距離が長すぎるのは効率が悪いということになります。100%ムダを削ることはできませんが、ベテランと新人での差を小さくすることがここでの部分最適の活動になります。

全体最適

ですが、いくら部分最適を行っていても出荷量に比べ入荷量が多ければ、在庫を整理したり、置き場所を確保する為に別の倉庫への移動や不必要な貨物の移動をしたり、とその部門だけでは対処できない問題が出て来ます。その場合は、製造や仕入の部門と営業の部門での情報共有が必要になり、その情報を元に大きな視点でのムダな作業がないか、効率を良くするためにはどのようにすればいいかと考える必要があります。
実際にはこの情報の共有化が出来ていない企業が多く部分最適は出来ているが、全体的な最適化が出来ていないのが現状ではないでしょうか。

サプライチェーンマネジメント(SCM)へ

最適な物流を目指して行くには、この全体的な視点が欠かすことができません。そして企業は自社で全てをまかなえる企業は無いと言えるでしょう。原材料や部品は他社へ発注し、製造の一部ですら外注している所もあるでしょう。販売先ももちろん一社ではないはずなので、全ての物の流れを掴むためにサプライチェーンマネジメント(SCM)という概念が近年取り入れられるようになってきております。震災や災害で供給がストップし、生産が出来なくなってしまう事態が発生したことからも、SCMの考えは重要になって来ております。そして世界的にはCO2排出削減目標を掲げていますので、企業も環境問題を無視するわけにもいかなくなってきております。

①ローコストな物流
②環境に配慮した物流
③災害時でも稼働できる物流
この3点を見て行けば、
「物流のあるべき姿」が少し見えてきたのではないでしょうか。

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