今回の物流手帖では、トラック輸送の概要と輸送・配送・運送の違い、そしてトラック輸送における重要な施設であるトラックターミナルについてご説明していきます。
※本記事は2023年4月時点の情報をもとに作成しています。
日本の物流業界を支えるトラック輸送
以前の記事でもご紹介したように、国内貨物輸送におけるトラックの輸送分担率は、全体のうちの大部分を占めており、このことからトラック輸送が、日本の物流機能を維持するための重要な役割を担っていることが分かります。
さらに付け加えると、この傾向は例年続いているので、国内の物流の需要にトラック輸送が非常に適していることが考えられます。
それは時代や社会環境の変化に合わせて、消費者向けのサービスが多様化するなかでも、そのニーズに応えるべく、様々な問題や課題と直面しながら常に進化し続けているからでしょう。
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輸送・配送・運送の違い
トラック輸送は場合によって似た表現で、トラック配送やトラック運送とも使用されていますが、3つの用語の意味に違いはあるのでしょうか。
本項では、一般的な解釈をもとにご説明していきます。
輸送とは、一般的に国内外を問わず長距離の貨物輸送を行う際に使用されています。
一次輸送ともいわれ海上・航空・陸上・鉄道など、比較的大規模な物量を一気に移動させる時に使用されています。
例として、海外からの部品調達や倉庫・物流センターなどの拠点間の輸送、仕掛品や半製品の輸送などがあげられます。
配送とは、国内での小口配送のことを指すケースがほとんどで、商業施設やコンビニ、小売店などに商品を届けたり、直接消費者のもとに配送する宅配便もこれに該当するものとされています。
生産地から貨物を届けるまでの全体の輸送プロセスの中で例えると、最終拠点からエンドユーザーまでの配送エリアのことを指しており、この配送サービスのことをラストワンマイルと呼ぶこともあります。
また近年では営業用のトラックだけはなく、自家用のボックスタイプの軽自動車や、自転車に荷台を連結させて配送を行う場合などもあり、ラストワンマイルのサービスは多様化しつつあります。
そして運送とは、輸送・配送を総称した意味ですが、用語の意味としては貨物以外に旅客の移動を行う場合にも使用されることがあり、輸送や配送に比べて広義であるといえます。
なお物流業界では、主にトラックを使用して輸送・配送することの総称として使われています。
トラックターミナルについて
トラック輸送に欠かせない施設のうちの一つに「トラックターミナル」があります。
トラックターミナルとは、輸送区間における中継地点の役割を担ったハブ(拠点)のような施設で、全国各地の要所に設置されており、多様化する小口貨物のニーズに対して、円滑な輸送・配送を行うことを目的として設置されています。
トラックターミナルは2種類あり、不特定多数の運送事業者が利用する一般トラックターミナルと、自社の輸送サービスのために設置した専用ターミナルがあります。
一般トラックターミナルを設置する場合は、自動車ターミナル法に基づく国土交通大臣の許可が必要となります。
トラックターミナルの施設内には、集荷した貨物の積み替えや混載などを行う荷扱場(にあつかいば)や荷捌き場があり、集荷した貨物の保管や流通加工を行う配送センターも併設されています。
まとめ
今回はトラック輸送の概要と輸送・配送・運送の用語の意味の違い、そしてトラック輸送における重要な施設であるトラックターミナルについてご説明しました。
トラック輸送は、一次輸送から消費者の手元に届けるまでの全ての輸送エリアで利用されており、輸送量や貨物の形状に合わせて、運送する車体も様々ある点も特徴の一つです。
また輸出や輸入といった国際物流の際にもトラックは活躍し、リードタイムやニーズに合わせたトラックと航空・海上輸送を複合した国際輸送サービスなどもあります。
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