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【最新版】3PL(サードパーティ・ロジスティクス)の徹底解説!

 3PL(サードパーティ・ロジスティクス)という言葉は様々な業界においての認知度が高く、すでに関連する記事やメディアも多数存在していますが、いまだ3PLの注目度は高く、時代に沿ったサービスの探求が進んでいます。

そこで物流手帖では、サプライチェーンにおけるロジスティクスの役割から3PLの構造、近年の傾向や得られるメリットに焦点を当ててご紹介していきます。

※本記事は2021年6月時点の情報をもとに作成しています。

3PL(サードパーティ・ロジスティクス)とは?

 

まずはサプライチェーンについて理解する

3PLを具体的にご説明する前に、まずはサプライチェーンについての解説を行います。

サプライチェーン(Supply Chain)とは、商品を生み出す段階から実際に消費者の手元に届くまでの一連の流れのことを指しています。

日本語に直訳すると「供給連鎖」です。

これは単に「供給」という言葉の意味だけでは、生産から消費者の手元に届くまでの工程を包括できないので、単一ではなく複数の工程を跨ぐことで一連の流れとなるといった意味合いの「連鎖」という言葉を付け加えることで全工程を表現しています。

サプライチェーンに含まれる主な工程としては、商品企画、部品や原材料の調達、製造、生産、加工、保管、配送、販売などが含まれています。

また農産物や海産物などの一次産品の供給も含まれます。

そして、これらのサプライチェーンに含まれる全ての工程をシステムで管理し、より効率的かつ最適な方法で行なっていくことをサプライチェーン・マネジメント(Supply Chain Management:SCM)と呼んでいます。

SCMは、先程ご紹介した主な工程に加えて、生産スケジュールの管理や在庫最適化、マーケティング、ロジスティクス(物流全体の最適化)などといった方法を活用し、あらゆる消費者ニーズに対応するために考えられた仕組みです。

SCMはビジネスが成長し、拡大していくことに比例して複雑かつ管理領域も拡大するため、企業にとっての大きな課題となることが想定されます。

場合によっては必要以上にコストがかかったり、顧客体験を損なうことでビジネスの成長を阻害する可能性も考えられます。

これらの問題を軽減するために生まれたサービスが3PL(サードパーティ・ロジスティクス)で、SCMに含まれるロジスティクスを第三者にアウトソーシングすることで、生産者がより商品開発や販売などのコアビジネスに集中できるように様々なサポートを行います。

3PLの種類

3PLのサービスの定義については企業や各団体によって様々な考え方がありますが、基本的には物流業者や倉庫業者が自主的に新たなサービスを模索するなかで生まれてきたサービスです。

それらを大きく分類すると、アセット系とノンアセット系に分けることができます。

アセット系とは一般的に、トラックなどの輸送手段を自社で保有し、輸送や配送サービスを提供したり、自社の倉庫などを活用して加工の一部を請け負ったり、製品の保管サービスを提供する事業者のことを指します。

アセット系の事業者は3PLサービスのプロセスを自社で完結できるので、オペレーションが組みやすく、規模に応じてロジスティクスからEコマースビジネスのフルフィルメント(受注・梱包・発送・商品の受け渡し・返品管理など)まで幅広く対応している企業が多く存在します。

また定期的な安全教育や業務改善など、自社のサービス向上を図るための施策を実施することもできます。

このような体制は荷主企業にとっても安心感につながり、3PL業者との意思疎通が図りやすいといった点などもメリットにあげられます。

一方、ノンアセット系とはこれらの資産(輸送手段や倉庫など)を保有せずに、外部のリソースを駆使して情報や物流管理などを中心に行う事業者のことを指しています。

ノンアセット系の事業者の強みは、荷主企業ごとに外部のリソースを組み替えることで柔軟かつ多彩なサービスを提供できるという点です。

どちらのタイプにもメリット・デメリットが存在するので、一概に比較することはできませんが、それぞれが自社の強みやビジネスモデル、様々なアイデアを活かした体制で3PLサービスを提供しています。

 

3PLの構造と近年の傾向

 

 

3PLで提供される主なサービス

サプライチェーンにおいて、一般的にロジスティクスが担う領域とされているのは、部品や原材料の調達、在庫保管・管理、ピッキングや流通加工、包装、輸送梱包、輸送・配送などが挙げられます。

多くの3PL事業者は、これらの業務をただ単純に荷主企業に代わって代行するのではなく、コストの削減や輸送・配送におけるリードタイムの圧縮、在庫最適化など専門業者だからこそ実現できるサービスを提供しています。

 

近年の傾向について

ロジスティクスが担う領域は、消費者ニーズや時代背景に伴って非常に流動的であるとされています。

そのため近年では、より物流においての専門的な知識やノウハウが求められるケースがあり、これらは4PL(フォースパーティ・ロジスティクス)やLLP(リード・ロジスティクス・プロバイダー)といった名称で呼ばれています。

4PLやLLPは、3PLで提供されるサービスに加えて、荷主企業のビジネス全体の戦略構築、製造計画のプランニングなど、SCMの領域まで踏み込んだ包括的かつ新しいサービスです。

荷主企業とアウトソーシング先がより密接な関係となるため、3PL以上に精密な情報共有や意思疎通が必要となります。

 

3PLを利用することで得られる最大の利点

 

 

ビジネスの規模に応じた適切な3PLを選択すること

多くの事業者は、自社でサプライチェーンの全てを完結させるための帯域を保有しているケースは少なく、事業を運営していくなかで、いかにしてマーケティングや商品開発などのコアビジネスに焦点を当てて、その他のサプライチェーンを効率化するかを模索する必要があります。

そこでロジスティクスをアウトソーシングすることで、管理にかかる手間や費やす時間を削減することができ、運用コスト面においても自社で完結させるよりも安価に解決できる場合が殆どです。

さらには専門業者ならではの知識や経験、ノウハウを得られるので、製品をより速く、安価で提供することも可能になるでしょう。

但し、自社のビジネス規模に合わないサービスを選択してしまうと逆効果になることも考えられるので、3PL業者の選定やサービスの内容などは入念に精査する必要があります。また、目先の課題解決だけでなく、今後のビジネス展開も踏まえて選択をすることが大切といえるでしょう。

 

まとめ

3PLを理解する上で大切なことは、自社のサプライチェーンの工程を見つめ直し、適切な3PLの導入を図ることでビジネスの改善につなげるという点です。

さらには3PLをベースとした、4PLやLLPなどの新しいサービスも生まれてきているので、今後の新しいサービス創出にも期待が持てるでしょう

 

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