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3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは?物流委託との違い、対応範囲について

2021年7月8日

ロジスティクスは、サプライチェーンを構成する一部として重要な役割を担っておりますが、ビジネスが成長し事業規模が拡大するとともに、管理領域が広がり事業者への負担も増加します。

そのため、ロジスティクスを専門家である物流業者や倉庫業者、または3PL業者に委託することで、荷主である事業者の負担を軽減し、本来のビジネスにより注力するためのサービスの導入が主流となっています。

今回の物流手帖では、3PLの意味や物流委託との違い、3PLで請け負う物流の範囲についてご説明していきます。

 

※本記事は2024年1月時点の情報をもとに作成しています。

 

3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは

3PLとはThird(3rd)Party Logisticsの略で、日本語ではサードパーティー・ロジスティクスといいます。

3PLの意味は、物流を必要とする荷主企業から、第三者となる3PL業者が「包括的」に物流に関する業務を受託し、生産または製造の工程から販売に至るまでのロジスティクスを多岐にわたって請け負うことです。

一般的な物流業務の委託(アウトソーシング)との違いは、部分的な物流業務の委託(例えばラストワンマイルの輸送のみを委託するなど)を行うだけでなく、企業が抱える物流に関する様々な課題の解決や将来的な物流戦略の企画、さらにはシステム構築や物流業務の効率化まで包括的に委託できるサービスであるといった点です。

荷主企業にとって3PLを導入する最大のメリットは、これら物流に関する業務を包括的に第三者に委託することで、より商品開発やマーケティングに注力でき、なおかつ物流に関する専門的な知識やノウハウを活用できる点に加えて、物流業務を遂行するために必要なリソースを自社で管理・保有せずに済むことが第一にあげられます。

 

アセット型とノンアセット型

サードパーティーである第三者は、アセット型とノンアセット型の2つのタイプに分けられています。

アセット型とは、トラックなどの輸送手段や保管先の倉庫を自社で保有する物流業者または倉庫業者のことを指しています。

アセット型の事業者の特徴は、3PLで提供するサービスやリソース(ハードからソフト、人材など)を自社で完結できるので、オペレーションが組みやすく、規模に応じたロジスティクスの企画や運営・システム構築などを行うことができます。

また、近年需要が増え続けているEコマースビジネスのフルフィルメント(受注・梱包・発送・商品の受け渡し・返品管理など)サービスまで、幅広く対応している企業も多く存在します。

さらにアセット型の事業者は、定期的な安全教育や業務改善などの自社が保有するリソースやサービス向上を図るための施策を実施することができるため、こうした体制は荷主企業にとっても3PLを委託する際の安心感につながります。

一方、ノンアセット型は物流業務を遂行するために必要な機能は保有していないものの、専門的な知識やノウハウを活かしたコンサルティングを得意とする3PL業者が該当し、物流業務を遂行するために必要な機能は外部のリソースを駆使することで、情報管理や物流プロセス全体の管理を中心に行う事業者のことを指しています。

ノンアセット型の事業者の強みは、荷主企業ごとに外部のリソースを組み替えることで柔軟かつ多彩なサービスを提供できるという点です。

どちらのタイプにもメリット・デメリットが存在するので、一概に比較することはできませんが、それぞれが自社の強みやビジネスモデル、様々なアイデアを活かした体制で3PLサービスを提供しています。

 

3PLで請け負う物流の範囲

3PLで請け負う物流の範囲は、大きく分けて以下の物流があります。

 

①生産または製造工程に必要な部品・原材料などを国内外のサプライヤーから調達する際に行う「調達物流」

 

②調達した部品や原材料の管理、製造工程における工場内物流、保管先までの倉庫間の移動を含む「生産物流」

 

③配送センターや物流倉庫から卸売店や小売店などへの配送、またECサイトから受け付けるエンドユーザーへの直送まで行う「販売物流」

 

④上記の工程で生まれるリサイクル品や廃棄物、修理品や返品の回収などの際に必要な「静脈物流」

 

3PL業者によって提供可能な物流の範囲は異なりますが、基本的には幅広い業界の物流ニーズに対応するサービスと考えられています。

 

まとめ

今回は、3PLの意味や事業概要、物流委託との違い、請け負う物流の範囲についてご説明しました。

一般的に多くの事業者は、自社でサプライチェーンの全てを完結するためのリソースを保有していないため、部分的に物流業務を外部に委託しているケースも多いですが、生産や製造工程から販売までの事業規模が拡大していくにつれて付帯する物流業務も膨大化するため、3PLを導入することで、製品のマーケティングや商品開発などのコアビジネスに、より焦点を当てた事業活動を行うことができるでしょう。

 

また今回はご紹介しておりませんが、参考までに、以下の記事で3PLを含むサプライチェーンの全体像についてもご説明しておりますので、ぜひご覧ください。

 

参考サプライチェーンの概要や仕組み、ロジスティクスとの違いについて

3PL(サードパーティー・ロジ& ...

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