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サプライチェーンの概要や仕組み、ロジスティクスとの違いについて

2024年1月25日

3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは、荷主企業にとって第三者である3PL事業者が「包括的」に物流(ロジスティクス)に関する業務を受託することですが、サプライチェーン全体の中でロジスティクスはどの部分に該当するのでしょうか。

今回の物流手帖では、サプライチェーンの概要や仕組み、そこに含まれるロジスティクスについてご説明していきます。

※本記事は2024年1月時点の情報をもとに作成しています。

 

サプライチェーン(Supply Chain)とは

サプライチェーン(Supply Chain)とは、製品を生み出すための原材料や部品などの調達から生産・製造工程を経て、製品または商品を流通、販売し、エンドユーザーである消費者の手元に届けるまでの一連の流れ(プロセス)のことで、日本語では「供給連鎖」の意味合いとなります。

サプライチェーンは単に「供給」という言葉の意味だけでは全ての過程を包括できないため、「複数の工程を跨ぐことで一連の流れとなる」といった意味を含めた「連鎖」という言葉を付け加えることで、その意味を表しています。

サプライチェーンに含まれる主な工程としては、企画立案、部品や原材料の調達、生産・製造、加工、保管、配送、販売などがあり、そのほかに農産物や海産物などの一次産品の供給も含まれています。

 

SCM(サプライチェーン・マネジメント)について

サプライチェーンに含まれる全ての工程をシステムで管理し、より効率的かつ最適な方法で事業活動を行なっていくことをサプライチェーン・マネジメント(Supply Chain Management)略してSCMといいます。

SCMは、サプライチェーンの主な工程に加えて、生産スケジュールの管理や在庫最適化、Webサイトや販促ツールなどを活用したマーケティング、ロジスティクスなどといった様々な方法を活用することで、あらゆる消費者ニーズに対応する仕組み(システム)を構築し、管理することです。

SCMはビジネスが成長し拡大していく毎に、事業規模に比例して複雑かつ管理領域も膨大化するため、企業にとって大きな課題となることが想定できます。

そのため、自社でSCMの全てを管理する場合は必要以上にコストが嵩んでしまったり、急激な事業規模の変化に対応が追いつかず、顧客体験の機会を損失してしまう可能性もあるので、生産から物流、販売に至るまで、正確かつ適正な戦略やプランを構築することが重要になります。

 

ロジスティクスとの違い

ロジスティクスは意味としてサプライチェーンと混同されることもありますが、実際にはサプライチェーンを構成する一部分のことを指しており、生産・製造工程に必要な原材料や部品の調達から、生産物流(工場内物流)、販売および回収物流といった物流プロセス全体を一元管理し、サプライチェーンに含まれる物流工程の最適化や効率化を図るために考えられた仕組みのことをいいます。

一般的にロジスティクスが内包する領域とされているのは、部品や原材料の調達、在庫保管・管理、ピッキングや流通加工、包装、輸送梱包、輸送・配送などがあげられます。

 

物流に関するこれらの工程はサプライチェーン全体においても重要な役割を担っており、またそれらを管理するSCMでの比重も大きく、事業規模や経済状況、時代の変化などに合わせて様々な課題が発生しやすい分野です。

さらにハード面からソフト面、人材面のリソースを多く必要とする分野でもあります。

 

こうした背景をもとに考えられた、サプライチェーンのロジスティクスが抱える様々な課題を解決するためのサービスを、3PL(サードパーティー・ロジスティクス)といいます。

3PLは、サプライチェーンのロジスティクスを第三者である3PL業者に委託(アウトソーシング)することで、SCMにおける物流業務の負担を軽減し、生産者がより商品開発や販売などのコアビジネスに集中できるように包括的なサポートを行うサービスです。

多くの3PL事業者は、ロジスティクスに関する業務をただ単純に荷主企業に代わって代行するのではなく、コスト削減や輸送・配送におけるリードタイムの圧縮、保管先の倉庫の在庫最適化など専門業者だからこそ実現できるサービスの提供や、状況に合わせた企画立案、物流戦略の構築など幅広く対応しています。

 

まとめ

今回は、サプライチェーンの概要や仕組み、そこに含まれるロジスティクスについてご説明しました。

サプライチェーンにおいてロジスティクスが担う領域は、消費者ニーズや時代背景に伴って流動的であるとされており、近年ではより時代に沿った物流に関する専門的な知識やノウハウが求められるケースも増えてきています。

そうしたニーズから生まれた新しいサービスに4PL(フォースパーティ・ロジスティクス)やLLP(リード・ロジスティクス・プロバイダー)があります。

4PLやLLPは3PLで提供されるサービスに加えて、荷主企業のビジネス全体の戦略構築、製造計画のプランニングなど、SCMの領域まで踏み込んだ包括的なサービスです。

4PLやLLPでは、荷主企業と委託先の第三者が3PLに比べてより密接な関係となるため、3PL以上に精密な情報共有や意思疎通が必要となります。

そのため、委託する際は3PL業者の実績や対応可能なサービス内容などを入念に精査し、目先の課題解決だけでなく、今後のビジネス展開も踏まえた最適なパートナーに依頼することが大切といえるでしょう。

 

参考までに、以下の記事では4PLやLLPのベースとなっている3PLについてご説明しておりますので、ぜひご覧ください。

参考3PL(サードパーティー・ロジスティクス)とは?物流委託との違い、対応範囲について

ロジスティクスは、サプラ ...

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