現代社会では、日々インターネットを通じて様々な商品やサービスの売買が行われていて、時期や流行りにもよりますが業種によってはネット販売の需要が実店舗の需要を上回る傾向も見受けられます。
それほど私たちの生活の一部になりつつあるインターネットショッピングですが、それに比例して事業者側も日々ネットショップへのサービス移行が検討・実施されています。
そこで今回の物流手帖では『ネットショップにおける物流業務の基礎知識』についてご紹介していきます。
※本記事は2021年9月時点の情報をもとに作成しています。
ネットショップとは?簡単にご説明
仕組みについて
ネットショップとはその名の通りインターネット上の店舗のことで、ECサイトやオンラインショップなどとも呼ばれています。
そしてインターネットを通じて商品やサービスを提供(受発注)することを電子商取引(Eコマース、オンライン取引)といいます。
ネットショップは通常のWebサイトの機能に加えて、この電子商取引を行うことができるWebサイトのことを指しています。
ネットショップではインターネットでスムーズに取引を行うための様々な機能やサービスが開発・実装されていて、気軽に商品を購入することができる機能だけでなく、インターネットならではの商品に関する口コミやレビュー、メルマガ、コンテンツなど商品に関する情報の発信方法も多彩です。
ショップの開設方法
ネットショップを開設する方法は大きく分けて2種類あります。
一つはモール(ショッピングモール)と呼ばれる集合型のショッピングサイトに自身のネットショップを開設する方法です。
モール型の最大のメリットとしては、やはり「知名度」や「集客力」が高く、モール自体の利用者が多いという点です。
楽天市場やAmazonなどの大手企業が運営しているものがほとんどなので、サポートも充実しています。
二つ目は自身でショッピング機能を有したWebサイトを構築する方法で、こちらはモール型と比べるとオリジナリティの高いネットショップを開設することができます。
構築方法は、全くの一から開発を行うフルスクラッチやオンラインショッピングに必要なシステムがパッケージ化されたもの、さらにはクラウドやASP(Application Service Provider)・SaaS(Software as a Serviceの略) などと呼ばれる方法が一般的に使用されています。
主な物流業務について
発送までの流れ
ネットショップにおいて物流業務に含まれる工程は対象となる商品によって異なりますが、大きく分けると「仕入れ 〜保管 〜発送」の3つの工程に分けることができます。
仕入れに関する工程では、一般的に入庫・検品・棚入れといった作業を行います。
事業規模や仕入れの内容によって作業工数が大きく変動します。
また仕入れの段階で商品に不備や劣化などがないかしっかりと検査・検品を行うことで、今後の工程でのリスクヘッジに繋がります。
次に保管に関する工程では、商品を適正な状態で維持・管理することを目的とした作業を行います。
商品によっては温度管理が必要な場合もあれば品質に期限を伴う商品もあるので、必要に応じて保管場所の検討や在庫管理を行いましょう。
物流業務と聞くと「注文を受けて商品を発送するまで」といった注文後の工程に目がいきがちですが、注文を受け付ける前の工程も非常に重要な物流業務です。
発送に関する工程では、まず注文を受けた商品を保管場所から必要数取り出すピッキング作業を行います。
その後は商品の発送準備として、値札やラベル貼りを行ったり、ラッピングなどの包装や配送時の商品劣化を防ぐための梱包作業を行います。
物流用語ではこれらの作業は「流通加工」と呼ばれる工程の一部に含まれています。
発送準備が整ったら配送業者に商品の受け渡しを行い、注文情報をもとに配送依頼を行います。
ここまでご説明した内容が商品発送までの基本的な流れとなりますが、これらの工程をベースにいかに自社のビジネスに最適なプロセスに落とし込むかが重要なポイントです。
通常の物流業務との違い
実店舗で商品を販売する場合の物流業務といえば、基本的に前項でご紹介した注文前の工程がメインとなりますが、ネットショップの場合は消費者それぞれに商品を発送する必要があるので、物流業務に割り当てる手間や人材も必然的に多くなってきます。
さらにネットショップのメリットでもある「インターネットを介して様々な地域の消費者から注文を受けることができる」といった点から、予想できる繁忙期(クリスマスなど)以外にも注文が殺到する場合があります。
あえて戦略的にマーケティングを行なった場合は事前に準備することも可能ですが、想定以上に情報が広まるいわゆる「バズる」といった状況においては、物流業務に一気に負担がかかるので、発送が遅れてしまうなどのクレームに直接影響を及ぼす事態を招いてしまうことも考えられます。
このようにネットショップでは多数の消費者に向けて商品を販売できるメリットと、そのための物流業務との関係性が密接化しています。
そのため過度な対策は経営に負担をかけてしまいますが、販売戦略と同様に物流戦略も重要視しておくことが大切です。
様々な物流サービス
事業規模や販売数が拡大するにつれて物流業務が膨大化した場合は、外部に物流業務を委託する「物流アウトソーシング」を行うことが一般的です。
サービスの内容は提供している企業によって様々ですが、需要に伴ってネット販売向けの物流サービスが多数リリースされており、その内容は非常に充実したものとなっています。
小ロッドでもアウトソーシングを行うことができたり、スポットでの依頼ができたり、独自の在庫管理システムを導入する企業も存在します。
またフルフィルメントといった仕入れから発送までの全ての工程をアウトソーシングできるサービスなどもあります。
モールやASPなどのネットショップの場合は、ショップの標準機能としてこのような物流業務をアウトソーシングしたり、必要な機能を付与できるサービスもあるので、自社のショップに合わせて物流機能をカスタマイズすることも可能です。
今回のまとめ
これまでご説明したように、ネットショップを運営する上で物流業務は大きな役割をになっています。
最近ではネット販売の需要に伴って物流サービスも進化しているため、実際にインターネットで商品を注文するとすぐに商品が届くことがあるように、消費者の感覚も「すぐに届くもの」に移りつつあります。
そのため、より自社のビジネスに合った対策を行うことがネットショップにおいての物流業務の最適化につながるでしょう。
具体的な対策方法や現状の課題を解決する方法については、それぞれの状況によって異なるため、物流業務に関するお悩みごとや対策についてのご相談などは、以下のフォームまたはお電話にて「株式会社アスト中本」までお問い合わせくださいませ。
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