物流基礎知識

物流の歴史を振り返ってみよう

2017年10月24日

物流といものを考える前に物流という概念はいつごろからでてきたのだろうか。
物流のルーツを知ることが、物流を知る第一歩になるので、物流の歴史を振り返ってみましょう。

この記事は物流を学んでいる人や、物流担当になりたての人に向けた記事です。

日本の物流の当時の状況(1950年ごろ)

このころの日本の物流事情は、人力に頼った荷役でしかも乱暴な作業、無舗装の道路走行での非効率な輸送や、貨物の破損が多く決してスムーズな流通とは言えない状況でした。そして企業内でも輸送は輸送、保管は保管とその作業が発生する場所で個々にに対応されていたのも効率が悪くなる原因でもありました。
現在では物流コストで一番高いのは輸送コストになりますが、当時の物流コストで一番かかっていたのは梱包費でした。これは道路事情や粗っぽく貨物を扱われるため、貨物の破損やそれを防ぐためのより頑丈に梱包に対する費用が増大したためでした。当時の日本の物流費にはかなりのコストがかかっていたことが想像できます。

物流の語源はPhysical Distribution

もともと日本にも物流のそれぞれの作業である、ものの移動や、保管、梱包することはありましたが、これを一連の活動と認識しておらず、生産や流通の部分的な付帯作業として処理されておりました。
ですが、生産技術の向上と高度経済成長期になり大量消費の状況が作られました。経済の急速な発展は輸送や保管の量が急激に増え、これまでのような生産工程の一部としての対応では対処できず、大量のものをスムーズに流通させることが、官民における早急な課題になってきました。
そこで、この分野における先進国であるアメリカに物流に関する技術を学ぶ為視察団が編成されました。この視察団が報告の際に使用した用語がPhysical Distributionであり、この時はまだ訳語がなく原語のまま紹介されました。初めて物流の概念ができた時でもあります。

視察団の提言

この視察団報告書の中で「我が国で検討すべき諸点」として提言をしております。

以下にこの提言を引用いたします。

「流通技術専門視察団」の7つの提言
①「流通技術」という概念の普及徹底を図ること。生産技術と同等の重要性を持ち、しかも従来まったく研究の対象にされていなかったこの問題の重要性がひろく認識されねばならない。
②「流通技術」の公共性を認識し、これが改善に関係者が協力すること。
③「流通技術」の基盤として荷役の機械化、合理化を図ること。
④「流通技術」の発展のため荷造・包装の改善を図ること。本格的な包装規格の判定、工業標準化の活用強化を強調したい。
⑤「流通技術」の発展は道路政策とも密接な関係にあることを当事者は認識せねばならない。
⑥「流通技術」の発展にはターミナル施設の近代化が不可欠である。
⑦「流通技術」の合理化には、共同輸送の実現がのぞましい。

ここでは流通(物流)の概念を学ぶこと、そして大量消費のものの移動をスムーズに行うためには、国主導のインフラ整備(道路や港湾)や規格化、企業の機械化の努力が不可欠であるとの提言を行っています。日本での物流の幕開けであると言える提言でした。

そして物的流通(Physical Distribution)から物流という言葉が生まれた

当初、Physical Distributionに訳語が与えられていませんでしたが、1964年通産省産業構造審議会流通部会の中に「物的流通委員会」が設置されました。初めて公的に物的流通を使われたのがこの時になります。
物的流通という言葉が縮まり現在の物流という言葉になりました。
大切なことは言葉ができたということだけではなく、物流という概念ができたことです。
いままで各部門のそれぞれ作業が発生する箇所で担ってきたものが物流関連業務をひとまとめに管理するように変化したことです。
まさに物流に光があたった瞬間であるともいえます。

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