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バンニング・デバンニング作業について

前回の物流手帖では、輸出入の際にコンテナを一時的に保管しておくコンテナヤード(CY)やコンテナフレイトステーション(CFS)、また保税地域について解説しました。

これらのコンテナは国際海上輸送を効率的に行うためのいわば容器のようなものですが、実際にはコンテナに詰め込まれた中身の貨物がメインですので、最終的にはコンテナから貨物を出し入れする必要があります。

そこで今回の物流手帖では、コンテナに詰め込まれた貨物の出し入れ作業について詳しくご説明していきます。

※本記事は2022年7月時点の情報をもとに作成しています。

 

バンニングの意味

バンニング(Vanning)とは、コンテナに貨物を詰め込む作業のことを表しています。

バンニングは和製英語ではなく、物流に関係する業界では日常的に使用されている専門用語で、日本のみならず海外でも意味が通じる用語となります。

なお一部の国においては、バンニングのことをスタッフィング(Stuffing)と表すところもあるようです。

バンニングは国内の現場では一般的に「バン」や「バン詰め」といった形で省略されて使用されることが多く、また自前の倉庫や工場でバンニング作業を行う場合には「工場バンニング」や「メーカーバンニング」「メーカーバン詰め」などと称されています。

ちなみにトラックに貨物を詰め込む場合にはバンニングとはいわず、荷積みや積み込み、積み付けといった表現で称されるので、バンニングはあくまでもコンテナに貨物を詰め込む時のみに使用される用語として位置付けされています。

 

使用するコンテナについて

海上輸送で使用されているコンテナのサイズはISO(国際標準化機構)の規格に沿ったもので、20フィートもしくは40フィートのコンテナがあります。

20フィートコンテナの外寸は、縦6,058mm/横2,438mm/高さ2,591mmとなっており、40フィートの場合は縦12,192mm/横2,438mm/高さ2,591mmと定められています。

またコンテナの形状は様々ですが、一般的に使用する多品種の貨物輸送に適したドライコンテナや温度管理ができるリーファーコンテナ、屋根が展開できるオープントップコンテナ、コンテナの側面がないフラットラックコンテナなどがあります。

コンテナのサイズや積載重量についてはこちらの記事で詳しくご説明しています。

参考【輸出入】FCLとLCL(海上コンテナ輸送)の予備知識

船を利用した輸送方法には「FCL運送」と「LCL運送」の2種類があります。 FCL、LCLはともに海上コンテナを利用した輸送を指しますが、その形態が異なります。 FCLは正式名称をFull Conta ...

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デバンニングとの違い

デバンニング(Devanning)は輸入貨物をコンテナから取り出す作業のことを表しており、国内では略して「デバン」と呼ばれることがあります。

こちらもバンニングと同じく海外でも使用されている用語で、一部ではバンニングの対義語としてアンスタッフィング(Unstuffing)と称されています。

 

輸出貨物のバンニングの流れ

輸出貨物のバンニングの流れは一般的に以下のような流れで行われています。

①まずはコンテナを確保するところから始まります。

近年では、海上コンテナ輸送の世界的な需給逼迫問題の影響を受けて、今もなおコンテナが不足がしている状況が続いています。

これらを踏まえて、より計画的なコンテナの手配・ブッキングを行う必要があります。

 

②次にドレー業者を手配します。

ドレー(ドレージ)とはコンテナを陸上輸送することで、コンテナを輸送するための専用車両で運びます。

実際にはコンテナ自体を運ぶというより、シャーシまたは骨(ほね)と呼ばれるコンテナを載せる土台部分をけん引することでコンテナを輸送しています。

 

③到着した空のコンテナに輸出貨物を詰め込み搬出します。

ここでの注意点としては、積み込み前にコンテナの状態を入念に確認しておくことです。

海上コンテナ輸送で一般的に使用されているコンテナは船会社からのレンタル品がほとんどであるため、汚れや損傷があると返却時に引き取りを拒否されることがあります。

輸出先とのトラブルを避けるためにも、バンニング前に写真を撮るなどの対策を行うようにしましょう。

バンニングは輸出通関手続きを済ませてから行う場合と、通関手続き前に行う場合があります。

前者は外貨(外国貨物)バンニンニグ、後者は内貨(内国貨物)バンニングと呼ばれています。

 

④バンニングが完了したコンテナをCY(コンテナヤード)に搬入し、船に積み込まれて輸出されます。

なおコンテナの搬入は、CYの受け入れ開始日からカット日と呼ばれるコンテナの受け入れ期限までに行う必要があるので注意しましょう。

 

バンニング作業が行われる場所

バンニング作業は、基本的にCFS(コンテナフレイトステーション)などの保税地域で行われていますが、前章でもご説明したように、荷主の自前の倉庫や工場で行う場合や、フォワーダーや輸送業者が管轄する倉庫や物流拠点などで行う場合もあります。

なお、港頭(こうとう)地区にあるCFS倉庫でのバンニングまたはデバンニング作業は、港湾業者のみが行うことができるルールとなっています。

ここでの港湾業者とは、海運貨物取扱業者すなわち海貨(かいか)業者のことを指しています。

 

バンニングの際に気をつけるべきこと

作業環境の整備が大切

バンニングやデバンニング作業はフォークリフトや手作業で行われることが一般的で、フォークリフトでバンニングを行う場合は比較的スムーズに作業が進行しますが、特に手作業の場合は肉体的にもハードな作業となります。

開封前のコンテナは密閉されているため、夏場のコンテナ内部は50度を超えるほど熱される場合があり、熱中症などの対策をはじめ作業員の労働環境を整備することが大切です。

結果的に労働環境を整備することで作業効率が上がり、人件費の削減や場合によっては積み込み作業が長引くことで発生するコンテナ車の待機料の軽減などにもつながります。

 

積載効率を考える

積載効率はバンニングを行う上で非常に重要な項目となります。

極論をいえば、一つのコンテナに効率良く、積載できる範囲内で、スキマなく貨物を詰め込むことができれば最適といえますが、実際はそう上手くはいきません。

また手作業でケースを積み込んだ場合は、もちろんデバンニングの際も手作業で荷下ろしすることになるので、積載効率はバンニングまたはデバンニングの作業効率にも直結する問題であることが考えられます。

そのため近年では、パレタイズ(木製やプラスチックなどのパレットにケースを積み付けた梱包携帯)した状態でコンテナにフォークリフトでバンニングする方法をとるケースも増えつつあります。

取引内容によって異なりますが、場合によっては受け入れ先(輸出先)からパレタイズが指定されることもあります。

このように積載効率を突き詰めて考えると、必然的に梱包形態や包装仕様まで遡って最適化を図ることが重要となってきますが、小規模の輸出入の場合はそこまで突き詰めることは難しく、可能な範囲で効率の良いバンニングを行うことになるでしょう。

積み込みの際に気をつけるべきもうひとつの点として、偏荷重(へんかじゅう)があります。

偏荷重は前後もしくは左右に重さの偏りがある状態のことで、陸上運送におけるコンテナ車の横転の原因となる場合や荷崩れなどのトラブルにつながる恐れがあるので、バンニングの際には注意する必要があります。

偏荷重は偏った積み込みをした場合のみだけではなく、コンテナ内にスキマがある積載状態で輸送をする際に、コンテナ内の貨物が前後左右に動いてしまうことで偏ってしまうケースもあるため、木材や角材を用いてコンテナ内で動かないように固定(ショアリング)したり、ワイヤーやロープで貨物を縛ったり位置を固定(ラッシング)する必要があります。

参考までに国土交通省のWebサイトでマニュアルが公開されていますので、リンクを記載しておきます。

参考:国際会場コンテナの陸上運送の安全対策

 

まとめ

今回はバンニング・デバンニングについてご説明しました。

バンニング作業は単に貨物をコンテナに詰め込むだけの作業ではなく、積載効率や付随する様々な課題を含めて作業を考え、実行する必要があるので、改善と施策を試みながら自社にとっての最適な方法を見い出すことが重要になるといえるでしょう。

 

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