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DXと物流|取り組み方について

DX(デジタルトランスフォーメーション)という用語をご存知でしょうか?

本記事をご覧いただいている方はすでに意味をご存知か、もしくは聞いたことがあるといった方が多いと思います。

DXについて、物流手帖で触れるのは今回が初めてとなりますが、これからの物流を考えていく上で欠かせないキーワードの一つです。

そこで本記事では、DXについての基本的な解説から物流業界が抱える課題や現状、そして現在取り組みが行われている物流DXについてご紹介していきます。

※本記事は2021年7月時点の情報をもとに、編集者独自の視点で作成しています。

 

DX(デジタルトランスフォーメーション)について

デジタルトランスフォーメーションの意味

 DXとは英語でDigital Transformationのことを指しています。

略称は頭文字を取って「DT」と呼ぶのではなく、Transformationの「変換」や様々な要素が「交差」するイメージを表す「X(クロス)」を用いた形で「DX」と呼ばれています。

また、これに似た用語でDigitalization(デジタライゼーション)があります。

二つの用語の意味の違いは、単にデジタル化を表すか(デジタライゼーション)デジタル技術を用いて企業や組織、社会全体を変換するのか(デジタルトランスフォーメーション)によって使い分けられています。

簡単に説明すると、現在インターネットの普及が高まり、様々な分野でのデジタル技術開発が進むことでほとんどの情報がデジタル化(デジタライゼーション)されつつありますが、

そこからさらにそれら全ての情報(データ)を繋ぎ合わせることで企業や組織、社会全体を変革・改善(最適化)していくシステムを構築する取り組みがデジタルトランスフォーメーション(DX)です。

個々の情報(データ)をそのほかの分野でも活用することで、全体をシームレス化していくようなイメージです。

デジタルトランスフォーメーション(DX)はビジネス面の用語イメージが強いですが、このように企業だけでなく、公共事業を担う組織や政府、大きく言えば私たちの社会全体を変革していく技術や取り組みのことを指しています。

 

デジタルトランスフォーメーションの事例

いざデジタルトランスフォーメーションを取り組もうとなった時にどこから手をつけるべきなのでしょうか。

いくら情報化社会になったとはいえ、ゼロの段階からいきなり新たなシステムを創造することは非常に困難です。

そこで、まずはDXすなわち何かを「変革」するために必要な情報を整理することから始めることをおすすめします。

ビジネスにおいて、自社の何を変革すべきか判断するためには、既存のシステムの見直しと改善すべき点を模索することが大切です。

そのための方法の一つとして、すでに世の中で行われている様々な取り組みや事例を知ることで新しいアイデアの参考や発想の転換に繋げることができるかもしれません。

さて、現代社会では国内外の様々なシーンでDXが取り組まれていますが、例えば、ここ最近の事例として、2019年から現在まで続いている新型コロナウイルス感染症の影響を受けて日本政府による様々な補助金や給付金などの制度が発足しましたが、その際の申請手続きなどは全てオンラインで行われたことは記憶に新しい出来事だと思います。

これらは以前から経済産業省が推進しているデジタルプラットフォーム(gBizID、jGrants、ミラサポplus、gBizINFO)やマイナポータル(総務省)が活用されていて、従来の対面での手続きを行う体制からまさにデジタルトランスフォームされたといえます。

また今では街で毎日見かけるであろうフードデリバリー業界では、Uber Eats(Uber)や出前館などのサービスもDXの事例としてあげることができます。

そのほかにも、ドラマやアニメ、映画などのストリーミング配信サービスで有名なNetflixや何でも揃うAmazon、アパレル業界ではZOZOTOWN、シェアリングエコノミーのAirbnbやairClosetなど、生活をする上で便利だと感じるサービスのほとんどがデジタルトランスフォーメーションされた新たなサービスといえます。

 

 物流業界が抱える課題

EC市場の急成長が及ぼした物流業界への影響

ここからは物流業界のDXについて見ていきましょう。

まずは現在問題視されている物流業界の現状について、国土交通省の資料を参考にご説明していきます。

これまで様々なメディアやニュースなどでも散々取り上げられていますが、物流業界は基本的に人手不足(特にトラックドライバー)の問題を抱えています。

原因については労働環境の面などを考慮すると一概に断定することはできませんが、明確な要因の一つとして物流の需要に対してあきらかに労働力が足りないことがあげられます。

物流はDXと非常に関わりが強い分野です。

なぜなら顧客体験はデジタルトランスフォームできたとしても、形をなした製品や商品などをデジタル化することはできないため、製品や商品が自主的に移動をしない限り人の力で届けるしか方法がないからです。

新型コロナウイルス感染症の影響でオンライン上で買い物をする人が増えたことは言うまでもないですが、宅配便の需要もそれに比例して上がっていくので、それに見合った人手が必要になってきます。

一部ドローンや自動配送ロボットなどを使用して配送を行うサービスもありますが、現時点では全てをロボットなどで自動化するシステムはできていないため、やはり人の手でモノを運ぶ必要があります。

※すでに海外ではラストワンマイル(最終拠点から消費者まで)の配送を自動走行ロボットが行う取り組みが検証・実装されていて、日本でも開発・公道での実証実験が行われているので、これから街で見かける機会があるかもしれません。

また人手不足だけでなく、近年ではコンテナ(貨物輸送で使用する容器)不足も問題視されています。

原因を簡単に説明すると、米中の貿易摩擦や同時多発的に世界に広がった新型コロナウイルス感染症などの影響で、コンテナが動かないまたは一部の港に滞留してしまうことで国際間の貨物の輸送が混雑しているからです。

そのほかにも日々の現場での問題を含めると大小様々な問題がありますが、大きな一面での物流業界の問題や課題については以下の資料をご参考ください。

 

参考・引用:国土交通省 - 総合物流施策大網

 

参考・引用:国土交通省 - 最近の物流政策について

 

参考・引用:国土交通省 - コンテナ不足問題に関する政府における取組

 

物流業界のDXについて

 これまでご紹介してきた通り、デジタルトランスフォーメーションは様々なデータやデジタル技術を駆使してより良い環境や仕組みを構築し、従来のシステムから新しいシステムに変革することで全体を改善・シームレス化に繋げることですが、変革の規模は自社の事業規模に合わせて検討することが第一のステップとなるでしょう。

時代に合わせたビジネスモデルの変革という意味では、現在ほとんどの企業で導入されているオンライン会議やテレワークなどもDXの取り組みの一部に含まれるといえます。

物流業界でもすでに様々なDXの取り組みが行われていて、倉庫管理や在庫管理で使用するシステム(WMS)や荷物の配送状況を追跡できるアプリ、渋滞情報を活用した配送ルートの最適化や倉庫内の作業を自動化するロボットの開発などが行われています。

また現場で実際に取り扱う作業員を考慮したシステムの導入や、ビジネスモデルの変革も重要なポイントとなるでしょう。

以前の記事でもご紹介しましたが、ASUTO GLOBAL LOGISTICS (Thailand) CO., LTD.(AGLT社)では、現場で働く作業員にとって使いやすく、なおかつヒューマンエラーを改善するためのシステムを組み込んだWMSを開発・導入しています。

このシステムを開発する際には、実際にどの段階でミスが起きていて、どのような状況でミスが起こりやすいのかをしっかりと検証した上で開発・導入が行われました。

このように、DXの取り組みを行う際に何を改善し変革すべきなのかは、現在の問題点の洗い出しや課題を見つけるところから始めることで、自社のビジネスに必要なアイデアが生まれるきっかけに繋がるでしょう。

参考タイの物流に新たな倉庫管理システムを|SWMSとPMSの開発

前回の記事では、WMS(倉庫管& ...

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