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製造工程の効率化!なぜ流通加工が必要とされるのか

2021年2月5日

時代とともに変わり続ける消費者ニーズ。特に最近ではインターネットを介したサービスが進み、IoTなどのこれまでになかった製品が身近なものになってきています。

そんな、いかに消費者目線で物事を考えられるかが重要になってきているなか、製品や商品を保管・管理する倉庫や物流センターでも様々な工夫やサービスが生まれてきています。

本記事では、中でも注目を集めている「流通加工」について、サービスの説明や事例、導入する際のポイントなどをご紹介していきます。

 

流通加工とは?

 

流通加工は、その名の通り商品が生産されてから最終的な消費者の手元に届くまでの過程において、検品や検量、箱詰めや値札・タグ付けなどの一連の作業を指しており、倉庫や物流センター内で行われている業務・サービスの一部です。

その目的はズバリ、商品の付加価値を高めることにあり、その工程を踏むことでより消費者のニーズに沿った商品を提供することができ、なおかつ供給面での効率化にもつながっています。

時代とともに変化する需要と供給

高度経済成長期、消費者の個人所得の向上にともなってこれまでと生活環境が大きく変わり、社会全体の需要と供給が活発化し、様々な企業・メーカーによる大量生産が行われていきました。

この時代は小品種大量生産が中心だったと言われており、一つの商品が大量消費されるため、倉庫や物流センターではいかに商品を大量に保管するかに重点が置かれていました。

ですがそんな時代も長くは続かず、時間が経つにつれ必然的にモノの普及率が高まることで、市場ではある種の飽和状態となっていきました。

現代でもそうですが、基本的に消費者の傾向は「より良いモノ」を求めることにあり、当時もこれまでと違う様々な商品に対するニーズが求められるようになりました。

この頃から多品種少量生産の顧客重視の時代へとシフトチェンジが行われ、モノの差別化やブランド思考といった「商品価値」を求める時代へと突入したことで、流通過程にも大きな変化をもたらしました。

倉庫や物流センターではこれまでの保管機能に加えて、在庫管理やシステム、加工といった様々な機能が導入され、取り扱う情報量が一気に増えて、いかに効率良く供給を行うか(ロジスティクス)が重要視されるようになっていきました。

物流との関係性

製造工程において、一番効率的なのは同じ製品を同じ工程で大量に作ることですが、上述の通り消費者ニーズが多様化したことで量販店や小売店などの納品先のニーズも多様化され、工場内での作業が増えることによる生産性の低下が課題となっていきます。

前提として、生産側と仕入れ側のどちらがそういった作業を行うかにもよりますが、一つの工場や店舗で作業を行うには負担が大きく、作業を別の場所で行うとなれば全体の納期も長くなり横持ち輸送も増えてしまいます。

そこで登場したのが、倉庫や物流センター内でそういった作業を請け負う「流通加工」のサービスです。

生産側や仕入れ側にとっては全体の効率化だけでなく、それぞれ商品を作る・商品を販売するという本来の目的に力を注ぐことができ、倉庫や物流業者にとっては保管や輸送といった機能に加えて流通加工のサービスを提供することで、付加価値や利益を生むことができます。

 

流通加工の事例

ここまでサービスの概要や背景などをご説明していきましたが、実際に流通加工ではどのような作業を行なっているのかをご紹介していきます。

商品の種類によって様々な加工が施される

どの作業も流通加工の目的である商品の「付加価値」を高める工程や、納品段階の引き上げによる供給面の効率化のために考えられています。

<事例>
・内容量を商品規格と照らし合わせ調整する検量
・商品の品質や動作確認などを行う検品
・商品ラベルの作成や貼り付けや輸入商品の製品表示ラベルの貼り替え
・化粧品や雑貨、CDやDVDでよく見かける透明のフィルムで商品を覆うシュリンク包装
・お菓子やギフト関連のグッズなど意図的に同じ品目かつ色々な種類の詰め合わせを行うアソート
・消費者ニーズに合わせた多品目の商品の抱き合わせを行なって再度包装を行うリパック作業
・季節やイベントごとに行う化粧箱の箱詰めやラッピング
・アパレル商品の値札やタグ付け、検針やハンガー掛け
・機械組立におけるパーツの検品やサブアッシー加工、組み立て

EC・通販における物流工程の一元管理も

近年はネットショッピングを中心とした無店舗販売の形態を行うケースが多いことから、一部の倉庫や物流センターでは流通加工に付帯する物流工程の一元管理を請け負うサービスも提供されています。

具体例としては、荷受から保管、検品、包装、発送や在庫管理といった部分までをワンストップで対応することで、EC・通販の運営者がより販促業務に専念できるようなサービスを提供している企業など様々です。

こういったサービスも多様化する消費者ニーズを支えるべく生まれた、新たな業態やシステムだといえます。

 

実際に導入するには?

様々な加工やサービス、システムなどが取り入れられている流通加工ですが、実際に導入するにはどのような手段があるのでしょうか。

アウトソーシング化がおすすめ!

流通加工をインターネットで検索した際に、各メディアや企業のページでも紹介がされていますが、基本的にはアウトソーシング化がおすすめです。

もちろん、自社で全て完結できるケースもありますがそれは稀で、製品や商品自体に価値を付け加える細かな加工は、工場などで製造工程に組み込むより外部に委託する方が効率的と考えられています。

またコスト面においても、加工に付随するリソースが膨大化してしまっては肝心の商品の品質に影響が出てしまいます。

委託先の決め方・選ぶ際のポイント

委託先の決め方として、まずはサービスを提供している企業の得意な分野を確認する必要があります。

理由としてはすでに同一の加工実績がある場合、完成イメージが予想しやすく、作業効率も把握しやすい点です。

自社が委託したい加工業務と照らし合わせながら検討するようにしましょう。

また委託時にかかる作業コストも重要になってきます。料金体系は企業によって様々ですが、一般的には点数あたりの単価で設定される場合が多いようです。

ポイントとしては、自社工場からのアクセス面も考慮すると良いでしょう。距離が遠くなればなるほど輸送コストがかかってしまいます。

また加工時に問題が発生した場合のリカバリーなどの点においても物理的な距離はタイムロスにつながる場合もあるので、幅広い観点から委託先を比較・検討することをおすすめします。

 

まとめ

情報共有とオペレーションの最適化が重要となる

様々な面でメリットがある流通加工ですが、最大限その機能を活かすにはアウトソーシング先との連携がとても重要になってきます。

スムーズな連携が取れないと、かえって手間がかかってしまったり、余計なトラブルにも発展しかねません。

そのためには正確な情報共有が必須です。

いつ・なにを・どれだけ必要なのか、在庫状況やタクトタイムに問題はないのかなど、常に変動する市場の移り変わりに対応するため、委託先とはコミュニケーションがしっかり取れる関係性であることが大切です。

そうすることで作業全体のオペレーション最適化や供給面の効率化につなげることができるでしょう。

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