よみもの 世界の物流事情

物流ってなに?物流業界の仕組みとモノの流れを理解しよう

2020年5月20日

物流っていう言葉はよく聞くけど、そもそも物流って範囲が広すぎるので、
みんな物流と聞いてもイメージすることはそれぞれ違っていたりする。
でも、それは間違いではなく物流のごく一部分だということです。

そこで物流について整理してみよう

物流を大きく分類すると4つに分けることができます。
それは調達物流・生産物流・販売物流・回収物流です。

この4つの物流の役割を人間の血液の循環に例えて、動脈物流と静脈物流2つの循環に分けて考えるとわかりやすくなります。

動脈物流は使用者・消費者に物を供給するまでの流れをいい
静脈物流は使用者・消費者から物を回収し再循環させるか、廃棄処分するまでの流れを言います。

4つの分類がどちらになるかというと、
調達物流・生産物流・販売物流が動脈物流の領域となり、
回収物流が静脈物流になります。
ここにはリサイクル物流や廃棄物流などが入ってきますが、
大きくは回収物流の一部と考えておきましょう。

それでは、それぞれを細かく見ていきましょう。

調達物流とは

生産に必要な材料を集めることです。
それは原料であったり、製品の部品だったりします。
調達(仕入れ)先は国内や海外からの物があります。
小口であれば路線便や宅配便が利用され、大口の場合や大きな物・重いものであればチャーター便と言われる不定期の専属トラックが使われます。
国内で長距離であったりすると航空便、船便、貨物列車などが使われます。

海外からの調達になると国境と海を越えてくるので、より複雑になります。
国境を越えるえる場合、輸出と輸入いずれもそれぞれの国で通関する必要があります。

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国をまたぐとそれぞれの国で規制や法律が異なりますので、各国の規制に適応した貨物でなければ輸出入ができません。

輸送方法も航空便・船便・貨物列車・トラック・コンテナ輸送車などがあげられます。
国際輸送になると1種類の輸送方法では運ぶことが難しくなります。
特に海に囲まれた日本においては必ず飛行機か船を使う必要があります。

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生産物流とは

製造過程における物流になります。
調達した部品の管理や工場内(外)での仕掛品の移動、製品の管理、包装、発送までの流れがこの生産物流になります。
この部分はあまり物流と意識されず、主に製造業者の自社内で管理する場合が多く、中には一部の工程を物流業者へアウトソーシングすることもあります。
例えば、国土の狭い日本では工場の敷地面積が広くないので、前工程の調達部品の管理や後工程の製品の管理、発送・梱包などの業務を物流業者に委託する場合などです。
製造工程の一部を外注化することは、製造業者にとってもコアになる部分に集中することができ生産性などを上げるメリットがあります。

販売物流とは

BtoB と BtoC CtoCの3つに分かれます

BはBusinessの略で、CはCustomerの略です

BtoBは企業間の物の流れ。
BtoCは企業から消費者(個人)への物の流れ。
CtoCは個人間の物の流れということになります。
最近ではオークションやフリーマーケットなどがインターネット上で簡単にできることからCtoCの分野も伸びてきています。

BtoCとCtoCは単純に商品が販売者から購入者に荷物が送られることが物流になります。
主にこの分野に介在するのが、皆さんがよく知る宅配便や郵便となり、取引相手が海外であれば国際郵便や国際宅急便(クーリエ)です。

販売業者は多様な商品を扱ったり、在庫をかかえたりする必要があるため、企業規模が大きくなるにつれ倉庫などが必要になってきます。
物流の流れとしては、
仕入れを行い⇒商品を保管⇒注文⇒ピッキング⇒梱包⇒宅配業者に引き渡し⇒配達
となります。

皆さんにとってBtoCの物流は身近ですが、BtoB間の物流はBtoCに比べ約20倍ほどの市場規模があります。
BtoBはおよそ344兆円、そしてBtoCは18兆円の市場規模があります。(2018年)

物流の内容としてはBtoBとBtoCでは変わりがなく、取引相手が企業か個人であるかの違いだけです。
ただし企業相手の方が物量が多く、営業時間中の配達が可能なので業者としてはBtoBの方が割のいい仕事と考えられています。

回収物流とは

静脈物流とも言われています。
一旦店舗や消費者の元へ届いた製品が再循環か廃棄されるまでの流れがここに当てはまります。

回収のパターンとしては
リターン・リユース・リサイクル・廃棄処分があります。

リターン
店舗や消費者のもとに届くが売れ残り、不具合などで返品扱いで倉庫に返ってきます。
倉庫で商品を選別し、そのまま・リパック・B級品などの対応で再度在庫になる⇒販売物流の流れに戻る

リユース
製品を修理、リストアを行い中古市場の販売物流の流れに戻る

リサイクル
原料や素材の状態まで加工され⇒調達物流・生産物流の流れに戻る

廃棄処分
焼却処理などされ最終処分場へ

以上のような流れをたどるのが回収物流です。

まとめ

物流とは、モノが作られてからリサイクルもしくは処分されるまでの全工程において「モノの移動」に関わる全ての領域のことを指しています。

その動きを大きく4つに分類することで、一つ一つの工程に様々な企業や人々が深く関わっていることを理解することができます。

私たちの身の回りにあふれている多くの製品や、食品などの豊かな暮らしを支えるために必要なモノは全て、

国内のみならず国境を越えた多くの人たちによって供給されていると言えるでしょう。

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