災害はいつ起きてもおかしくはない
日本は地震国家というぐらい頻繁に地震が発生してます。
大災害といわれるような地震でも近年では
阪神・淡路大震災 1995年1月17日
新潟県中越地震 2004年10月23日
東日本大震災 2011年3月11日
熊本地震 2016年4月16日と立て続けに起こっています。
今後の地震予測でも
南海トラフ 地震発生確率: 30年以内に、70%程度
首都直下型地震(相模トラフ)地震発生確率: 30年以内に、70%程度と発表されています。
(地震調査研究推進本部 文部科学省研究開発局地震・防災研究課)
被害が大きくなるという意味で地震がすごくクローズアップされますが、日本での自然災害には他にも台風、ゲリラ豪雨、豪雪、竜巻、火山噴火など頻繁に起こっています。
またリスクという意味では、パンデミックスと言われる感染症や、人為的なサイバーテロも今後企業の存続を脅かす存在になりつつあります。
そもそもBCPって何?
BCPとは
Business continuity planningの略で
日本語にすると事業継続計画です。
”自然災害や人災や混乱などの緊急事態が発生したときに、企業が損害を最小限に抑え、事業の継続や復旧を図るための計画”(ウィキペディアより抜粋)
会社データのバックアップ、重要書類の保管方法や場所の確保、保険契約のコピー、その他企業が生き残るのに必要な重要書類、危機管理スタッフ、通常スタッフ、顧客、取引先の担当などの名前や連絡先をまとめた書類これらをどの様に管理し、危機が発生した時でも安全に取り出せるのかを計画することです。
大企業にいたってはこの上に新しいサプライチェーンの確立の方法、新しい生産拠点の確立の方法などいかに早く復旧させるかをマニュアル化することになります。
もちろん計画書を作るだけではなく、必要な備品や実装しなければいけませんし、実施したりテストや訓練なども必要です。
いざ非常時が来た時にうまく機能できなければ結局は何の意味もない物になってしまいます。
物流が止まるとビジネスが止まる
そこで我々の仕事である物流ですが、ライフラインと同じぐらい止まってしまうとでビジネスが立ちいかなくなってしまいます。
特に製造業や小売業などの物を動かしてビジネスが成り立っている企業は、製品を作れない、仕入れることができない、ということになり、いくら顧客がいても商売は成り立たなくなります。そうこうしている内に顧客は別の業者を探し新たな仕入ルートを作ってしまったならもう2度とそのお客さんは帰って来なくなるでしょう。
実際に、工場を復旧させている間、受注業務をストップさせていた企業がいざ、製造を再開してももうすでに顧客が離れてしまい、結局帰ってこず倒産してしまったという事態が発生している。空白の期間を空けてしまうとそれが言い訳となり今まで継続していたものでもすぐになくなってしまういい例です。
ですので生産が止まろうが、取引が止まろうが物を動かし続ける必要があります。ここで重要なのが、物流網であり、ネットワークです。緊急輸送を行う、必要物資を調達する、作業要員を送り込む、違う地域で物流を肩代わりするなど、大企業では1社でできることも、中小企業では独自の拠点網がないので、普段から競合他社や物流業者とのネットワークを作っておくことで代替案を作りやすくしておく必要があります。手持ちの在庫や他社の資源での物流活動が生き残っていれば企業の存続は可能だということです。
リスクを想定して対策を打っておこう
有事の際、必ずパニックに陥ってしまうので何らかの行動指針を事前に用意しておけば、全てがうまく行かないにしてもとりあえず何をするべきかがわかる。
まずは人命最優先の環境や仕組み作り
避難訓練や被災後の備蓄などを事前に行っておくことで、被災したときの初動をスムーズに行い、
そして次に、リスクマネジメントの観点から状況把握を行い、企業の稼働率度合いに応じた行動計画を策定しておくことだろう
例えば
稼働率ほぼ100%の場合 安全確認を行い、すぐ復旧
稼働率70%程度の場合 企業内部の協力と外部協力業者の支援で復旧を目指す
稼働率50%で事業の取捨選択を行い、残せる事業に集中することで復旧を行う。
稼働率30%で外部の協力業者や競合他社との協調や連携で残せる事業を継続させることで復旧を目指す。
稼働率0% 事業の終了、移転などでの再生計画をたてる。
など稼働率でどのような行動を起こすか自社に適した行動指針を事前に想定し準備しておくことがより有効なBCPだと考えられます。
最後に、個人レベルのBCPを浸透させておくことです。最終的には個人個人の自律的な行動に左右されてしまうので、普段から危機管理意識を持ち事前準備しておくのといないのとでは大きな差となるでしょう。
まとめ
災害はある日突然やってきます。その時にこれは想定外の出来事だという言葉で終わらせてはいけません。
来ないだろうではなく、来るかもしれないと心構えをしておくことで、最初の行動が変わり未曾有の危機がもし訪れても、乗り切ることができるはずです。