物流基礎知識 輸送・配送

日本の物流業界の現状と貨物の輸送手段について

2022年2月16日

日々の私たちの生活や経済活動などを支えている物流ですが、その機能は人口減少や高齢化、また新型コロナウイルス感染症や地震などの災害といった、様々な環境の変化や局面において、物流機能を発揮・維持し続けなくてはなりません。

いわばライフラインの一部といっても過言ではないでしょう。

そんな物流には、大きく分けて輸出・輸入といった日本以外の国の取引相手とやり取りを行う国際物流と、日本国内の物的流通のための国内物流があります。

国内物流と聞くと、最初に頭に浮かぶイメージは「トラックで荷物を運ぶ」ことが一般的だと考えられますが、現在の日本ではその他にも様々な輸送手段で物品が運ばれています。

そこで今回の物流手帖では、日常生活や経済活動を支える物流業界の現状と、貨物を運送する際に利用する様々な輸送手段についてご説明します。

※本記事は2023年4月時点の情報をもとに作成しています。

 

社会に順応し続ける物流業界

日本国内の物流事情は、2020年から始まった新型コロナウイルス感染症の流行によって大きく変化したといえますが、それ以前のここ数年でもニュースやメディアなどで、物流に関する様々な話題が取り上げられたことは記憶に新しい出来事です。

例えば、2017年頃にはEC市場の本格的な台頭による、急激な宅配便の取扱量増加や運賃の値上げ、過酷な労働環境によるドライバー不足などの問題が話題となった「宅配クライシス」と呼ばれる現象が、頻繁にテレビやニュースでクローズアップされていました。

また、それらを改善するための働き方改革実現に向けた「ホワイト物流」なども、同時期に始まった施策のうちの一つです。

その他にも、頻繁に発生する地震や台風などの自然災害によって輸送ラインが停止してしまう問題を解消すべく、BCP対策といった平常時および緊急時における、事業継続のための事前対策の導入がより推奨されるようになりました。

このように日本国内の物流事情は、新型コロナウイルス感染症の流行以前から様々な問題に直面してきており、その時代の流れやニーズ・社会環境によって、組織の体制や仕組みを順応させる働きかけを常に行なってきており、それは現在もなお継続しています。

 

国内貨物の運送時に利用する様々な輸送手段

国内貨物を運送するための輸送手段は、貨物の輸送量や形態などに合わせて、大きく分けて陸・海・空の3つの路線があり、時代のニーズや社会環境に合わせた様々な仕組みや輸送ラインが、各物流業者によって考えられています。

 

トラックや鉄道貨物を利用した陸上輸送

2020年度の統計では、トラックを利用した国内貨物輸送の分担率がトン(重量)ベースで約9割、トンキロ(トン数に輸送距離を乗じた単位)ベースで約5割とされており、トラックでの輸送が国内貨物輸送の主軸を担っていることがわかります。

またトラックでの輸送は、一次輸送から小口配送まで様々なシーンで利用されており、運送する貨物の形態やニーズに適した形態(平ボディやバンタイプなど)があるのも特徴のひとつです。

液体などの特殊な貨物を運ぶ場合や、港湾でコンテナを輸送する場合にも専用のトラックが利用されています。

鉄道貨物の特性として上げられる点は、長距離かつ大量輸送が基本で、環境への負荷も少ない輸送手段であるという点です。

2019年度の統計実績では、輸送時における二酸化炭素の排出量がトラックの約13分の1であったと記されており、近年は温暖化対策のためのモーダルシフトに有効な輸送手段として推進されています。

参考トラック輸送とは?配送・運送との違い、トラックターミナルについて

  今回の物流手帖では、ト} ...

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フェリーやRORO船を利用した海上輸送

海上輸送は内航海運とも呼ばれ、トラックに次いで国内貨物輸送の分担率が高く、なかでも産業基礎物資(金属や石油・セメントなど)の輸送においては、分担率の約8割を担っているとされています。

貨物を輸送する船舶にはいろいろな種類がありますが、中でもRORO船(ローローせん)とは貨物を積んだトラックやトレーラーを直接輸送する船のことで、フェリーとの違いは旅客を乗せず貨物輸送が主体であるといった点です。

海上輸送は、一度に大量の貨物を長距離輸送することができるので、鉄道貨物と同じくモーダルシフトに有効な輸送手段として推進されています。

また近年では、災害に強い輸送ネットワーク構築を図るため、国内港湾に設置されたコンテナターミナルと呼ばれる施設の整備や強化が進められています。

 

旅客機や貨物機を利用した航空輸送

航空輸送は飛行機を使って貨物を輸送することです。

普段よく目にする旅客機と呼ばれるタイプの機体下部には貨物スペースが備わっていて、そこに搭乗客の荷物以外の貨物を積み込んで輸送しています。

旅客機以外には、貨物機といった貨物輸送のための専用飛行機も存在します。

航空輸送では、主に生鮮食品や季節商品、精密機械などを輸送しており、船に比べて積載量は下がりますが、中長距離の貨物輸送においてスピーディーな輸送を実現することができます。

 

まとめ

今回は日本の物流業界の現状と国内貨物の輸送手段の概要についてご説明しました。

日本は島国のため、海外へ貨物を運ぶ場合は必ず飛行機か船のどちらかを利用することになりますが、国内貨物輸送の場合は、様々な手段で貨物を運ぶことができます。

時代のニーズに合わせた輸送手段や、貨物の種類や物量、輸送スケジュールなどに合わせた輸送手段など、自社にとって最適な方法を選択すると良いでしょう。

 

参考:

日本のトラック輸送産業 現状と課題(全日本トラック協会)

内航海運による産業基礎物資輸送を取り巻く現状(国土交通省)

 

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