物流基礎知識 輸出・輸入

ちょっと待った!その貿易条件で大丈夫? もう一度見直すインコタームズ

2017年12月1日

国際取引で重要な取引条件の取り決めでお互いの共通認識として利用されるインコタームズ。お互いの共通認識があれば取引条件をスムーズに決める為に重要な定義になります。このインコタームズをもう一度見直してみたいと思います。

インコタームズとは

ウィキペディアより引用

インコタームズ (Incoterms) とは、国際商業会議所(International Chamber of Commerce: ICC) が策定した貿易条件の定義である。1936年以降策定されているが、改正を重ね、最新版 (Incoterms2010) は2011年1月1日から発効した。名称はInternationalの'In'、フランス語のCommerce(Trade)の'co'、それに'Terms'を組み合わせた略称。
貿易取引における運賃、保険料、リスク(損失責任)負担等の条件に関する売主と買主の合意内容について、国によって用語の解釈に不一致があると貿易が円滑に行われないため、国際的に統一的な定義を取り決めたもの。

引用終わり

このようにインコタームズはそれぞれの責任範囲と費用負担をする場所を決め、商取引での商品価格を決めるもとにもなります。

それぞれの取引条件と責任範囲

 いかなる輸送手段にも適した規則

1. EXW (Ex Works) 工場渡し

売手の工場や倉庫での引き渡し条件

売手側は輸送に一切責任を持たなくてよく、トラックへの積込義務もない。
一方で買い手側も輸送コストが完全に把握できるため輸送コスト削減につなげることができる。売手国側での通関を買主名義で行わなければならない為、それが可能かよく調べる必要がある。

2. FCA (free Carrier) 運送人渡し

運送人とは、船会社や航空会社、フォワーダーのことを指します。買い手側指定の運送人の倉庫やトラックへの積込を行うところまでが、売手の責任範囲。運送人が手配したコンテナ車への積込が引き渡し条件であれば、売手の工場であっても本来はFCAになります。EXWとは異なり、輸出通関は売主側の責任で行う必要がある。多くの場合は空港ターミナルやコンテナヤード、CFS倉庫での引き渡しになる(車上渡し)

3. CPT (Carriage Paid To) 輸送費込

コンテナヤード、CFS倉庫や空港ターミナルでの引き渡しだが、仕向地までの輸送費(航空運賃や海上運賃まで売主負担)

3. CIP (Carriage and Insurance Paid To)輸送費保険料込

CPTの条件にプラス海上保険の費用まで込み

4. DAT (Delivered At Terminal)ターミナル持込渡

船や飛行機から荷下ろしするためのターミナル費用までが売主負担、輸入通関は買主側が負担して行う。

5. DAP (Delivered at Place)仕向地持込渡

買主の指定地での引き渡し(車上渡し)、輸入通関は買主側の負担

6. DDP (Delivered Duty Paid)関税込・仕向地持込渡

買主指定場所での引き渡しで輸入通関費用、関税、諸税(VAT,他)まで売主負担

海上及び内陸水路輸送のための規則(主に在来船に適した規則)

7. FAS (Free Alongside Ship)船側渡

本船の横に荷物をつけるまでが責任範囲、輸出通関手続きは売主が行う。

8. FOB (Free On Board)本船渡

船に積み込むまでが危険と費用の負担範囲

9. CFR (Cost and Freight)海上運賃込

船に積み込み、海上運賃までが売主負担。

10. CIF (Cost, Insurance and Freight)海上運賃保険料込

CFRに海上保険料まで売主が負担

関税の元になる金額は?

INCOTERMSの取引条件がなんであれ、税額は商品価格に輸出国側の配送や通関、ターミナル費用、海上や航空運賃、そして保険の価格までが税額計算の対象になります。Incotermsでいうと、CIF価格になります。(輸入時)
CIF価格×関税率=関税
CIF価格+関税×10%(消費税率)=輸入消費税になります。
消費税に関しては、販売時に消費税を計上して販売するので、これは商品原価ではなくあくまで税金の先払いになります。
※関税率はこちらで調べることができますが、材質や使用用途によって事細かに分類されていますので、税関へ相談するのが確実です。

コンテナ輸送にフィットする貿易条件輸入

インコタームズ2000までは、在来船での取引に適応した取り決めがそのまま使われてきました。ですが現在は海上輸送でもメインはコンテナ船であることと、海上輸送だけではなく航空輸送や鉄道、トラック輸送など輸送手段も多岐にわたる様になってきたため、あらゆる輸送手段にも適した規則にする為、新たにインコタームズ2010が発効されました。
主な変更点として「いかなる輸送手段にも適した規則」と「海上および内陸水路輸送の為の規則」に分けられました。
ですので、コンテナ輸送での取引条件は本来1~7までが適合しやすい規則になります。

よく使われる貿易条件

インコタームズ2010で現在の輸送手段に合わせた規則に変更しコンテナ船ではFCA、CPT、CIPのタームを推奨していますが、実情ではコンテナ輸送の世界では従来のFOB、CFR、CIFが使用されています。
従来からの慣習を変えるのは容易ではないようです。
ですので、海上保険を掛ける際はどこまで保険でカバーしてもらえるのか確認しておくに越したことはありません。
できれば、輸送手段に合わせたタームを使うようにするのがお互いのリスク範囲を明確にできるので使い慣れない条件ですが、使って行くのがベストです。

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