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物流効率化法の改正内容と配送拠点の最適化|地域戦略について

物流とは、商品が消費者の手元に届くまでの大きなモノの流れを指しますが、生産された商品を目的地まで運び届けるには、海外からの輸出入をはじめ、通関手続きや流通加工、在庫管理から国内配送まで様々な工程があり、それぞれが物流全体の機能を維持するための必要不可欠な役割を担っています。

また、物流はメーカーや製造業などのサプライチェーンにおいても、各工程間を繋ぐ重要なフェーズであり、日常生活だけでなく経済すなわち社会全体のインフラを支えています。

近年の物流業界では、2024年に施行された働き方改革関連法の影響を受けた「物流の2024年問題」や、今年度から本格的に施行される「改正物流効率化法」などが話題になっており、法改正による外部環境の変化に伴った物流拠点の対策が進められています。

今回の物流手帖では、2024年から始まった法改正の流れとそれに伴う物流拠点の最適化についてご説明します。

※本記事は2026年3月時点の情報をもとに作成しています。

法改正の内容とこれまでの流れ

近年の物流業界における法改正の大きな柱となっているのが、2024年4月から施行された「働き方改革関連法」によるトラックドライバーの時間外労働の上限規制です。

ここで問題となった点が、これまで長距離輸送や長時間の荷待ちによって維持されてきた物流業界の体制で、改正後はトラックドライバーの負担を軽減することを想定した、物流システムの根本的な見直しが必要になりました。

これらは「物流の2024年問題」と称され、各メディアでも注目を浴び、当時の社会問題として国内の輸送能力の不足や物流コストの上昇といった課題が懸念されました。

こうした課題を解決し、持続可能な物流構造を構築するために、今年度から本格的に施行(施行開始は2025年4月)されるのが「改正物流効率化法(流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律)」です。

この法改正の流れは、単なる労働時間の短縮に留まらず、荷主企業や物流事業者、そして消費者が一体となって物流の効率化に取り組むことを目的としています。

主な改正の内容と流れについては、以下の通りです。

①荷主・物流事業者への規制的措置の導入

一定規模以上の荷主(特定事業者)に対し、荷待ち時間の短縮や積載率の向上など、物流効率化に向けた中長期計画の作成や定期報告が義務化されました。これにより、物流の停滞を「運送会社だけの問題」ではなく「荷主企業も含めた共通の課題」として捉える体制へと移行しました。

②実運送体制の可視化と適正化

多重下請け構造を是正するため、実運送を行う事業者名や運賃、附帯作業料などを記載した「実運送体制管理簿」の作成が義務付けられました。これにより、運送責任の所在を明確にし、適正な運賃取引が行われる環境整備が進められています。

③物流拠点の機能強化と連携

配送距離の短縮や荷役の効率化を図るため、共同配送の推進や自動化設備の導入など、拠点の機能を高度化させる取り組みが推奨されています。

このように、2024年から始まった一連の法改正の動きは、いつでもモノが運べるという従来の前提から、効率的な輸送と適正な労働環境を荷主と物流業者の双方が両立させる「持続可能な物流」への転換を目指すものとなりました。

法改正が物流拠点戦略に与える影響

今回の法改正は、物流拠点の在り方そのものを再定義する契機となっています。

特に改正物流効率化法によって、特定荷主(特定事業者)に対し「荷待ち・荷役時間の削減」が義務化されたことは、拠点戦略に大きな影響を及ぼしています。

これまでは配送効率を優先して拠点を集約し、一箇所から広域をカバーする戦略が一般的でしたが、今後はドライバーの拘束時間を抑制するため、以下のような観点での拠点再編が進められています。

①滞在時間を短縮する拠点機能

単なる保管場所ではなく、車両の回転率を高めるための機能が重視されています。具体的には、バース予約システムの導入や荷役分離が可能な拠点の価値が高まっています。

②中継拠点としての分散配置

長距離輸送の工程を分担し、ドライバーが日帰りできる範囲で運行を完結させる中継輸送のニーズが増えています。そのため、主要な高速道路などの分岐点付近に中継・積み替え用の拠点を分散させる動きが加速しています。

③共同配送による最適化

積載率向上の目標を達成するため、複数の荷主が同じ拠点を利用し、配送網を共有する共同配送の取り組みも、拠点最適化の有効な選択肢として定着しつつあります。

このように、物流拠点の集約と分散化の選択は、コスト面だけでなく、新たな法規制への適合という観点も加えた、総合的な判断が求められるようになっています。

関西エリアにおける拠点最適化の現状と課題

現在の関西エリアの物流網において、拠点最適化の鍵を握るのは、インフラの現状を踏まえた上での時間的制約への対策です。

現在、関西エリアの物流大動脈として期待されている新名神高速道路は、枚方トンネル区間の工事遅延により、全線開通が2028年頃になる見通しとなっています。

そのため、現在(2026年3月時点)の関西エリアの物流現場では、以下のような課題が浮き彫りになっています。

①名神高速(天王山付近)のボトルネック

代替路が未整備のため、依然として名神高速の渋滞が激しく、輸送時間の正確な予測が困難な状況が続いています。これは法改正による作業時間の制限を遵守する上で、大きな不確定要素となります。

②物流拠点の運用改善

新名神の開通を待つだけでなく、近畿道や阪神高速へアクセスしやすい東大阪や湾岸、南大阪エリアなど、現在のインフラで渋滞を回避しやすい既存拠点の活用や、配送ルートの最適化が再構築されています。

まとめ

今回の物流手帖では、2024年から始まった法改正の流れとそれに伴う物流拠点の最適化についてご説明しました。

これからは、より良い物流基盤の構築のために作られた新たな法規制に対して、地域特有のインフラ事情も踏まえた拠点戦略が最適化への第一歩につながります。

関連記事として、以下の記事では、物流拠点の集約と分散化の基本について解説していますので、ぜひご覧ください。

またアスト中本では、関西エリアの配送拠点や全国配送のための中継拠点として最適な立地条件にある「枚方物流センター」と、南大阪エリアの内陸部に位置する「和泉中央物流センター」の大型倉庫に加えて、保税庫置場や定温機能を有した自社倉庫の「あゆみのロジフォレスト」を活用することで、大阪を起点とした物流拠点戦略の最適化に、柔軟にお応えいたします。


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