最新情報・ニュース

新たに追加される改正トラック法について分かりやすく解説

令和8年4月1日から施行される改正物流効率化法の影響を受けて、荷主・物流事業者をはじめ多くの企業が転換期を迎えるなか、現場の荷待ち・荷役時間を制限する「1運行2時間ルール」や、これまでになかった「特定事業者」といった新たな位置付けの指定など、働き方改革以降の法改正と体制の変化に注目が集まっています。
時を同じくして、令和8年4月1日から施行される「改正トラック法(改正貨物自動車運送事業法)」についても、新たに追加される重要な要素があることをご存知でしょうか。

今回の物流手帖では、改正トラック法の概要と今後追加される重要な要素についてご説明します。

※本記事は2026年2月時点の情報をもとに作成しています。

改正トラック法とは

改正トラック法(改正貨物自動車運送事業法)とは、働き方改革に関する法律の適用によって生じる国内物流の停滞に対して、物流機能の維持を目的とする効率化のための対策や、これまでの物流業界の体制を抜本的に変革するための「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律及び貨物自動車運送事業法の一部を改正する法律」のことです。

前半部分に該当する流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律は、物流効率化法に名称が変更され、後半部分の改正後の貨物自動車運送事業法が、今回ご説明する改正トラック法に該当します。

物流効率化法については、前回の記事でもご紹介しましたが、主な内容は以下の通りです。

・事業種別ごとに定められた、物流効率化のために取り組むべき措置を行う(努力義務)

・国による上記の取り組み状況の調査や助言、指導、公表等が実施

・一定規模以上の荷主・物流事業者等を特定事業者に指定する

・特定事業者は先の努力義務に加えて、中長期計画書の作成や物流統括管理者(CLO)の選任が義務化される

 

上記のうち、特定事業者に関するもの以外(法律の名称変更を含む)は令和7年4月1日からすでに施行が開始されており、特定事業者に関する項目のみ令和8年4月1日から施行されるものとなっています。

 

改正トラック法もまた、令和7年4月1日からすでに施行が開始されているものと、令和8年4月1日から施行されるものがあり、すでに施行されているものには以下の項目があります。

・運送契約の締結等の際に発生する書面交付義務

・下請け事業者の健全な事業運営確保のための取り組み(健全化措置)を行う(努力義務)

・一定規模以上の貨物運送事業者に対する、上記の取り組みに関する管理規程の作成および管理者選任の義務化

・貨物の運送を引き受けた貨物運送事業者に対する、実運送体制管理簿の作成義務

いずれも運送事業者だけでなく、荷主企業にも関わる重要な内容となっています。

物流効率化法は、物流という大きな枠組み全体の効率化を目指すための法律で、改正トラック法は、より運送にフォーカスされた内容となっており、その背景としては、多重下請け構造や口頭による運送契約の締結等に起因する、適正運賃や料金の収受にあたる課題解決のために改正された法律です。

新たに追加される要素について

改正トラック法において、令和8年4月1日から施行される新たな要素は以下の通りです。

・白ナンバーの車両(いわゆる白トラ)を利用する貨物運送事業者に運送を委託した際の罰則強化

・現行の運送契約の締結時に発行する書面交付や実運送体制管理簿の作成義務の対象を貨物利用運送事業者まで拡大

・元請事業者による運送業務の再委託の回数を2回までとする努力義務の追加

今回、新たに追加される上記の要素によって、輸送体制や取引構造の可視化が進められ、貨物利用運送事業者が取引の間に入った場合であっても、実際には誰が運んでいるのかという点がより明確になり、先の下請け事業者の健全化措置と併せて、物流の下請け構造が抱える課題の解決や、物流全体の効率化・体制強化を目指すことに期待が持たれています。

改正トラック法の要点

最後に、改正トラック法の要点についてご紹介します。

要点①
真荷主と元請事業者の定義について

真荷主とは、自らの事業に関して、貨物運送事業者と運送契約を締結し貨物の運送を委託する者、かつ貨物運送事業者以外の事業者のことを指しています。(一般の消費者は真荷主に含まれない)

元請事業者とは、軽貨物運送事業者を除く、実運送体制管理簿を作成する貨物運送事業者(真荷主から貨物の運送を引き受けたもの)のことで、ここに利用運送事業者は含まれないと定義されてきましたが、令和8年4月1日以降は、利用運送事業者を含む、運送契約の主体者=元請事業者という意味に変更されます。

 

要点②
運送契約時に交付する書面の記載内容について

書面には、運送業務や荷役など付帯する業務についての内容や対価の内訳、その他に発生する料金、支払方法、契約者や荷受人、運送人等の名称や連絡先、書類の交付年月日などの詳細を記載します。

書面は交付日から1年間保管する必要があり、万が一、契約締結時に未定の記載事項がある場合は、運送が行われる前までに追記し、保管期間は後日追記を行なった日から計算します。

 

要点③
実運送体制管理簿の作成基準について

荷主から運送依頼を受けた時点で、実運送体制管理簿の作成が必要であるかどうかを判断することができます。

・一度の運送依頼における貨物の総重量が1.5トン以上

・貨物の一部または全部を利用運送する場合

以上が実運送体制管理簿の作成対象であるかの基準となっています。なお、契約自体は1.5トン以上であっても、運送依頼については複数回に分かれている場合(一度の運送依頼で重量基準を下回る)は、
作成義務の対象にはならないとされています。

まとめ

今回は、改正トラック法の概要と今後追加される重要な要素についてご説明しました。
法改正に伴って、荷主や物流事業者を中心に様々な対策や対応が必要となり、それぞれの企業の事務的な負担が増加する可能性はありますが、まずは情報をしっかりと収集し、自社だけでなく、請負先や依頼先などを巻き込んだ対応を進めていくことで、コンプライアンスリスクの防止につながります。

関連記事として、以下の記事では、改正物流効率化法について解説していますので、ぜひご覧ください。

物流に関するご質問またはご相談などはこちら

アスト中本では、国内外の貨物輸送をはじめ輸出入に関わる業務を一貫して承っております。

また物流に関する身近なお悩みごとや改善・対策についてのご相談も受け付けております。

 

お問い合わせは、以下の連絡先にお電話いただくか当サイトのお問い合わせフォームからご連絡ください。

 

株式会社アスト中本 ロジスティクス営業部

〒556-0004

大阪府大阪市浪速区日本橋西1丁目2-5 Aiビル3階

TEL: 06-6633-0077

お問合せはコチラ

-最新情報・ニュース