物流基礎知識 輸送・配送

コンテナ輸送の仕組みと直面する課題への対策

現在、日本の貿易において、コンテナ輸送は経済を支える重要な基盤となっています。


国土交通省の統計データでは、国内に運び込まれる輸入貨物のうち、
石炭や原油などの資源を除いた工業製品や日用雑貨の多くがコンテナ船で輸入されていることが分かります。

このコンテナ船を利用した海上輸送の仕組みは、国際社会の発展と各国間の貿易が盛んになるにつれて、
飛躍的な進化を遂げ続けており、日本においても同様に進化をもたらしています。

具体的には、以前に比べて船の大型化や高速化によって輸送にかかる日数が短縮されたほか、全国各地で港湾施設の整備が進み、
目的地に近い港を柔軟に選択できるようになったことで、
コンテナ船による海上輸送は、現代の物流ニーズに合致した、より身近で利便性の高い輸送手段となっています。

今回の物流手帖では、海上輸送の主な流れとコンテナの陸上輸送が抱える現在の課題についてご説明します。

※本記事は2025年12月時点の情報をもとに作成しています。

海上コンテナ輸送の主な流れ

海上コンテナ輸送の主な流れは、大きく分けて以下の手順で行われています。

1、コンテナへの詰め込みと搬入

輸出者によってコンテナに貨物が詰め込まれた後(バンニング)、コンテナは港湾地区にある
「コンテナヤード(CY)」や「コンテナ・フレート・ステーション(CFS)」へ搬入されます。
ここで輸出通関手続きが行われ、税関から輸出許可を受けた後、船積みの待機状態となります。

2、本船への積み込みと海上輸送

港に接岸したコンテナ船に対し、ガントリークレーンを用いてコンテナが積み込まれます。
船内では、荷崩れを防ぐための固定作業が行われ、事前の積載計画に基づいて効率的に配置されます。
その後、船は目的地の港に向けて出港し、数日から数週間かけて海上を移動します。

3、目的地の港での荷卸し

目的地の港に到着すると、再びガントリークレーンによってコンテナが船から卸されます。
卸されたコンテナは、港湾内の保管場所であるコンテナヤード(CY)へと運ばれます。

4、輸入通関と国内輸送への準備

コンテナヤードに運び込まれたコンテナに対し、輸入申告が行われます。税関による審査や検査を経て輸入が許可されると、
ようやく国内への持ち出しが可能になります。

陸路でのコンテナ輸送が抱える課題

これまでは船でのコンテナ輸送についてご説明しましたが、
海上に限らず陸路においてもコンテナ輸送は頻繁に運行されています。

港に届いたコンテナの多くは、港湾エリア内での移動や、
港と近隣の物流拠点を結ぶ「横持ち」と呼ばれる短距離輸送が行われています。

しかし、コンテナの搬入先が内陸の倉庫やインランドデポ(コンテナの集配やバンニング・デバンニングなどの作業、
位置保管などを行う大型の輸送基地 = ドライ・ポート)
の場合は、輸送ルートに様々な制約が生じることがしばしばあります。

コンテナを牽引するトレーラーは、車体が大きく、実入りのコンテナを積んだ状態では重量
(コンテナと車体の総重量)が非常に重くなるため、
陸上輸送において一般的な大型トラックとは異なる配慮が求められます。

例えば、法令面での配慮という点では、道路法に基づく「特殊車両通行許可(特車申請)」によって、
走行できるルートが厳密に指定されていることから、
許可されていない道路への迂回が認められないことなどがあげられます。

また、市街地の走行においては、歩道橋やトンネルなどの高さ制限、あるいは橋梁の重量制限などによって、
最短ルートや高速道路を選択することができないケースも多々あります。

このように海上輸送が船の大型化や高速化によって利便性を高めている一方で、陸路でのコンテナ輸送は、
日本の道路構造上の問題や法規制に合わせた慎重な運用が行われており、融通が利きづらい一面があることも現状です。

港湾エリア周辺の待機時間の課題と解決策

海上コンテナの陸上輸送において、輸送ルートや法規制の制約があるなかで、
現在、注目されている課題のひとつが港湾エリア周辺での車両の待機時間です。

近年の研究や調査結果によると、コンテナターミナルへの入り口で発生する渋滞や荷役の待ち時間は、
ドライバーの長時間労働を招く大きな要因とされています。

これは、限られた運行時間の中で効率的にコンテナを運びたい輸送業者にとって、
死活問題ともいえる高いハードルです。

こうした現場の課題を解決するため、情報通信技術(ICT:Information and Communication Technology)
を活用した新たな仕組みの導入が急速に進んでいます。

例えば、港湾エリアの物流の手続きを電子化する「サイバーポート(Cyber Port)」や、
トレーラーの搬入予約をリアルタイムで行う「CONPAS(コンパス)」
といったシステムの普及です。

これらのデジタル技術によって、従来のアナログな管理では手が届かなった部分を解消し、
港湾エリア内の輸送や搬入先までの輸送をスムーズに繋ぐ試みが始まっています。

コンテナ輸送という大きな仕組みの利便性は、海上輸送の進化だけでなく、
港湾エリアや内陸での輸送最適化のための様々な施策によって、
今後さらに高まっていくことが期待されています。

まとめ

今回は、海上輸送の主な流れとコンテナの陸上輸送が抱える現在の課題についてご説明しました。

日本の経済と暮らしを支えるコンテナ輸送は、海上または陸上それぞれの輸送形態で進化と発展を遂げ続ける一方で、
その時代に沿った様々な課題を抱えています。

しかし現在は、近年の法改正やデジタル技術の導入によって、
これらの課題を乗り越えていくための新たなフェーズへと進んでいるため、
物流に関わるすべての事業者、ひいては消費者までもがまずはこれらの課題に注目し、
柔軟に応えていくことで、より良い環境の構築へとつながっていくでしょう。

関連記事として、以下の記事では、海上コンテナ輸送の予備知識(FCLとLCL)
について解説していますので、ぜひご覧ください。

 

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